” 【平成のために何をしたらよいか 君自身が平和の人になり給え(毎田周一)】
今日の世界を見てみると、あちらこちらで紛争や戦争が起きている。日本は抑止力と称して武器を持って平和を望んでいる。仏教では兵戈無用といって、本当の豊かさや平和は武器も戦争のための自衛隊も要らないと説く。
ところが最近の日本は、自衛隊を軍隊として憲法九条に付け加える案が出ている。それはいつでもどこでも戦争ができる国にすることである。「集団的自衛権」を国会で強行採決した。この法案がある以上、米国から要請があれば地球の裏側であろうと自衛隊は参加しなければならない。現在の自衛隊は二面ある。一つは軍隊でなく災害救助隊としての活躍。だから自衛隊は必要だという人もいる。それなら武器は要らない。防衛費五兆円の一部を福祉に使えば、どれだけ国民のためになるか。作家の住井すゑさんは「憲法九条は日本文化の宝である」という。私自身改めて平和の人となることを考えたい。”(1月16日付け中日新聞)
「今週の言葉」から同朋大名誉教授の中村薫さんの文です。「話・話」では身近な出来事を紹介することに努め、政治的なことや宗教的なこともあまり取り上げていない。それは政治宗教はいろいろな主張意見があり、賛否両論様々であるからである。またあまり意見も採り上げていない。言うだけなら何でも言えるからである。今回取り上げたのは、毎田周一さんの「君自身が平和の人になり給え」という言葉に強く同感を覚えたからである。これは何も平和だけのことではない。地域活動でも会社でも家庭でもまず自分が望む人になりなさい、と言うことである。現代社会、自分をかえりみず、人に要求するだけのことが多すぎる気がしている。要求の結果がどのように繋がっていくのか、よく考えて発言したいものだ。
そして中村薫さんは、ボクにとって時折話を聞く機会がある身近な人であるからである。中村さんはボクのことは知らない。でもこういう文を読んで、中村さんにますます興味を覚えるのである。