2016/12/02(Fri) (第2363話) すごい母です |
寺さん |
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“私の母は九十一歳です。昨年十月から一時期、寝たきりになり、もうこのままかと思いましたが元気になり、一人暮らしをしています。 毎日、私が食事を届け、姉は掃除、二人がかりでお風呂、と大変でしたが、母への恩返しと頑張りました。そんなとき母は「お正月のおせちを作るから、それまでに必ず冶す」と、背中への注射の痛みにも耐えました。でも、痛みは取れず動けない。そこでおせちは母の細かい指導で私が作りました。 次に母は「二月に節分の恵方巻きを作る」と言い、私をアンスタントに、三十四本の巻きずしを完成させました。ご近所さんに配ることができ、とてもうれしそうでした。 それから調子に乗り、三月のお彼岸にはぼた餅百九十四個を作りました。ほぼ復活したのです。四月のお花見にはアジずし、鉄火巻き、かんぴょう巻きなどで、何人の人を喜ばせたか数えられません。九月のお彼岸のおはぎは二百二十個。ご近所、友人に配りました。料理を考え、作っていることが幸せという、母の前向きな姿勢が、九十一歳いという年齢に負けずに元気でいられる秘訣のようです。 この一年、私はいろいろ手作りを教えられましたが、まだまだ母のものを食べる専門でいたいです。”(11月8日付け中日新聞)
愛知県西尾市の主婦・冨永さん(65)の投稿文です。「すごい母です」と言われるように91歳にしてこの意欲には全く凄いですね。元気な高齢者をいろいろ紹介してきたが、冨永さんのお母さんは大関横綱クラスです。寝たきりになるかと思った人が、完全復活、このようにたくさんの料理を作り、ご近所、友人に配られるとは。人の喜ぶことをしたい、これが原動力でしょうか。自分だけのことだとすぐにあきらめることもできるが、人に期待されていたら簡単にあきらめる訳にいきません。頑張れるだけ頑張ろうとします。例えばボクの川柳連れ連れ草も、投稿されてきたら放って置く訳には行きません。気が乗らなくても忙しくても何とかします。これがいざという時ボクの生きる原動力になったらありがたいですね。皆さんの協力でその可能性は十分にあります。 川柳連れ連れ草第179号(平成28年11月号)に次のような投稿文を掲載しています。「82歳になる義母には102歳になる母がまだ元気でいます。両親共にもうとうにいない私は、80を越えてもお母さんがいる感覚ってどんな感じなんだろうといつも思ってしまうのですが、折にふれ、姉妹でお母さんに会いに行くのを羨ましく見ています」。80歳の人が「お母さん、お母さん」と呼ぶ、本当にどんな感覚でしょうか。いろいろ投稿文を読んでいると、ボクよりはるかに高齢の人が親について書いている文をたくさん見かけます。幾つになっても親は親、歳には関係ないようです。いや、歳いくほど親を思うのかも知れません。人間の良さ、有り難さだと思います。親あっての自分ですから、親や先祖を大切にする気持ちをなくさないようにしたいものです。
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