2016/09/04(Sun) (第2326話) 降格 |
寺さん |
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“昨年、勤務先で部長から課長に降格された。理由の説明は受けたが、私としてはなかなか納得できない懲戒理由を押しつけられたような気もしている。サラリーマンとしては、またもや深い谷に落ちた。しかし、そんな中でも依然として「良かった」探しをしてみると、見えてきたことがある。 まず、降格という経験には希少価値がある。そして、逆境に立たされたときほど、人の真実が垣問見える。「貧の友は真の友」という言葉があるとおり、これまで以上に親切に接してくれる同僚達もたくさんいる。 次に、単なるワーク(仕事)ノキャリア形成のみならず、広くライフ(人生)のキャリア形成を考えるチャンスだ。かつて電力の鬼と呼ばれた松永安左工門氏は、「人間は、浪人、闘病、投獄の『三つの節』。を通らなくては一人前ではない」と述べた。一見すると、「負」に見える経験が、実はライフのキャリアでは重要な転機になる、と私も思う。(後略)”(8月21日付け中日新聞)
ダイバーシティ・コンサルタントの渥美さんの「6Kライフのススメ」からです。ここで言う6Kとは、会社、子育て、家事、介護、看護、子ども会のことらしい。今までこの欄はよく読んでいなかったので、今までどんなことが語られていたのか知らない。今回「部長から課長に降格」というタイトルに読む気になった。紹介した文はこの文の前半部分である。そして、この降格は渥美さん自身のことのように読める。それにしては「良かった探し」と言われるように淡々とし過ぎている気がするが・・・。 サラリーマン世界で「降格という経験には希少価値がある」と言ってみえるが、ボクのサラリーマン経験からしても見かけ上同格にみえる左遷はいくらでもあるが、本当の降格となると少ないと思う。そして読んでいて、ワーク(仕事)のキャリア形成とライフ(人生)のキャリア形成という言葉に引かれて紹介する気になった。これは確かに違う。そしてどちらが重要かというと、それはライフであると思う。ワークはライフの一部であるからである。後半部に「ワーク面での華麗なキャリア人を感心させても感動は与えない。逆に、ライフ面で試練を乗り越えたキャリアは、感動や共感を呼ぶ」とある。頷くのである。ボクも今、前立腺ガン手術から尿漏れ対応に苦労している。ガンになることはマイナスである。でもこのマイナスの体験はライフではプラスになることもあると思っている。この状況がこの文を読ませたのかも知れない。松永安左工門氏の「3つの節」はさすが凡人の域ではない。そうなのか、と唸るばかりである。
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