2016/04/19(Tue) (第2257話) 退職後の時間つぶし |
寺さん |
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“退職後は、趣味がない、運動をするほどの体力はない、草を抜くほどの庭もない、旅行する金も、ちょっとの金を稼ぐ技術もない。ないないづくしだ。仕方なく時間潰しに散歩をするが、不審者と思われないように、娘さんとも、幼い子どもとも目を合わせないようにしている。気楽な散歩にも気を使う。図書館は空調設備が整っていて、ありがたい。ただ、お目当ての読み物が重なると早い者勝ち。なかなか順番が回ってこないのがつらい。もともと静かに読書をするところで、話し合う知人が増えるわけではない。 家でのひとり遊びはローカル紙の朝・夕刊と全国紙を読むこと。投稿欄は採用されなくても楽しい。もう一紙購読したいが、年金額からは、現状の2紙が最高のぜいたくだ。月曜日は図書館が休み。新聞の休刊日が重なることもある。休刊日は休肝日としたいが、出かける用事もないと実に一日が長い。ストレスがたまり、結果として2合酒になる。ぬれ落ち葉にならないか、妻の邪魔にならないか、気がかりだ。そんなことを思いながら、ふといつもの図書館で周りを見回すと、私と似た感じの人が目に付く。”(4月3日付け朝日新聞)
宮島県松茂町の三原さん(男・73)の投稿文です。中日新聞の「300文字小説」ではありません。それと見間違うような話です。これは「男のひといき」という投稿欄からです。 この話のようにないないづくしの人がどのくらいあるのだろう、気になるところである。例え趣味はなくても、あまりお金がなくてもボクみたいな農村地帯には比較的少ないと思う。土地はある。なくても家庭菜園程度なら借りられる畑はいくらでもある。少なくなったと言っても近所付き合いもある。これは我が地方の独特かも知れないが、モーニングコーヒーの文化もある。現に日課のように行っている人はたくさんいる。田園は散歩にはもってこいである。そして町中の人を考える。特にマンションなど高層ビルに住む人を思うと、退職後何をやっているのだろう、と考えてしまう。お金があり、趣味がある人はいい。またボランティアなどに関心を持つ人はいい。これらは誰にもある訳ではない。 定年後のことを定年になってから考えるのは遅い。考えているだけでも遅い。定年後には本格的にできるように準備を進めておかなくてはいけない。自分のことを言っては恐縮だが、ボクは早くからウォーキングの会に参加し、定年になる年に一宮友歩会の活動の準備をし、定年後本格的に活動を始めた。そして10年、例回数は60回を超え、ボクの生き甲斐となっている。時には、ウォーキングなど何の能力も趣味もない人がすることだといわれる、もっともだ。ウォーキングなど何の技術も能力も要らない。趣味のない人はウォーキング会に参加するといい。話が大分それてきた。しかし、何事もその気がなければできないし、その気になればできるのである。
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