2016/02/29(Mon) (第2232話) 学びたい熱意 |
寺さん |
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“アルバイトの塾講師として、不登校だが一生懸命勉強する生徒を受け持ち書いた投稿「学校嫌いでも勉強好き」が昨年十二月の本欄に掲載された。反響を呼び、私のもとには知人を介して多くの依頼が舞い込んでいる。そのなかに、通信制高校に通う十六歳の少年からの依頼があった。 彼は中学時代に不登校で、基礎知識を持っていない。高校の授業に出席してみるものの、彼にとっては内容が難しく、わからないからつまらない。そのため授業にはほとんど出席せず、アルバイト中心の生活を送る。そんな彼からの依頼は、高校でついていけるよう基礎からやり直したいから、私を家庭教師として、中学校の内容を教えてほしいというものだった。 その費用を、自分のアルバイト代から払うというので、驚いた。まだ十六歳の彼のその一言に、並大抵でない熱意を感じた。彼は心から変わりたいと願っているのだ。その熱意を信じて、最大限のサポートをすることを決めた。”(2月11日付け中日新聞)
岐阜市の大学生・山田さん(男・21)の投稿文です。中学生時代不登校だった少年が、通信制高校に入ったが、さっぱり分からない。そこで、アルバイト代を使い家庭教師に来て貰うというのである。学びたい、知りたいと言う自ら生じた欲望である。多分大きな結果を生じるだろう。 大半の高校生は、また大学生も成り行きで通っているであろう。ほとんどが行くから行く、親が行けというから行く、将来を考えると言っておいた方がいいから行く、それが大半であろう。学びたい、知りたいと言う切なる欲望の人は少ない。学校は学ぶ場所である。学びたいという切なる欲望を叶える場所である。でも上手に過ごし、学歴を取って卒業していく。ボクの時代は今とは随分違う。それでもボクは、ただ中学高校の成績がある程度良かったら行っただけの気がする。学びたいという欲望ではない。行っておいた方が将来有利だろうと言うことであった。もっと有益に過ごすやり方があったはずだ。もったいないことをした。 それでも夜学生となると、少し違ってくる。学歴もあるが、学びたいという欲望の人が多くなる。ボクは夜間大学にも通ったので、その実態を少しは知っている。昼間とは違うと思った。働いた後、通うのである。ただ行くだけにこんな苦労はできない。
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