2015/12/28(Mon) (第2207話) 看護師になってよかった |
寺さん |
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“江南市の仙田八千代さん(五一)は、看護師になって三十年がたつ。だが数年おきに体調を崩し、勤務先を退職。復調すると再び病院に勤めることを何度も繰り返し、あちこち転々とする自分を落伍者だと思っていた。 つい先日のこと。近くのショッピングモ−ルで女性から声を掛けられた。四年ほど前まで勤めていた病院に週一度、通っていた患者さんであることを思い出した。「ぜひお目にかかり、お礼を言いたいと思っていたのですが辞められたと聞い・・・」と話し始めた。「私が、ベッドで処置をしてもらっていたときのことです。カーテン越しにあなたと別の患者さんの会話が漏れ聞こえてきました。『この病気は冶るかしら』と不安げに尋ねる患者さんに、あなたは答えられました。『病は気から、と言います。それは、病は本人の気持ちからという意昧だと思います。医師や薬剤師、看護師は援助者として傍らにいます。家族や友人も支えてくれるでしょう。でも、ご本人が自分から病気に立ち向かっていこうという気持ちがあって初めて周りの力を活用できるのだと思います』と。私はそのとき、検診で早期の胃がんを宣告されたばかりでした。手術を受けるか否か迷っていたのですが、あなたの言葉を聞いて決心し手術を受けたのです。そのおかげで今も生きています」 仙田さんは「思わず涙がこぼれました。そして心の中の霧が晴れた気がしました。やっぱり看護師になって良かったです。もう明日死んでもいいと思えるほどに」と話す。”(12月6日付け中日新聞)
志賀内氏の「ほろほろ通信」からです。少し長いですが全文を紹介しました。落伍者だと思っていた自分が感謝される、本当に嬉しかったでしょう。命を救われた思いとは大げさでしょうか。でもそれくらいのものがあります。 早期ガン、ボクも今全くそんな状況におかれています。手術と決めたが、本当は手術をしなくてもいいのではないか、この選択はよかったか、まだ迷いがあります。本人は迷うばかりです。これには他に人からの後押しが必要でしょう。この胃がんの人にはそれが仙田さんであった。ボクにはそれが妻であるようだ。ボクには監視療法という方法があります。手術をせず、検査を続けて状況を見守っていくという方法です。どれにも一長一短があります。でも手術と決めました。今ではまだ迷っている口ぶりをすると「キチンと取ってすっきりしなさい」と叱られます。まだ人生はあるつもりです。この間、ガンを気にしながら過ごすより、すっきりした方が良い気はします。ボクの場合、手術がキチンといけば後の心配はほとんどないはずです。分かっていても後押しは必要です。 大きな病気をしたことがないボクが、今病院に通いながらいろいろ感じています。医師や看護師さんは人の命を預かる大変な仕事です。この大変さを毎日しています。その中で優しい心遣いもせねばなりません。仙田さんはそんなことをやってこられたのです。
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