2015/04/11(Sat) (第2096話) 白髪人生 |
寺さん |
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“18日付本欄の「白髪染めにさよなら」を読んだ。白髪染めをやめて悲しい、と言う声だったが、私の場合はむしろ、人生バラ色になった感じです。 60歳を過ぎたころには、かなりの白髪、特に頭頂部は染めないと真っ白な状態。染めるのを思い切ってやめ、ウィッグを付けました。次第に白い部分が多くなったときは全てかつらにし、風の強い日には、かつらが飛ばないか心配しながらつけていました。 ついに全部真っ白になったので、かつらをはずし、パーマをかけて薄い紫のヘアローションをつけました。毎月の仕事の例会に出かけました。びっくりされないかドキドキしながら行くと、トントンと階段を下りてきた男性のAさんが「ああ、びっくりした!女優さんかと思った!!」。この言葉に私は舞い上がりました。好きだった黒やベージュの服は似合わなくなり、明るいブルーやピンクの服が似合うようになりました。 知らない方に「すてきなおぐしですね」と声をかけられることもあります。髪が真っ白なので写真うつりも目立ち、黒髪のときより、きれいに見えるので気に入っています。”(3月27日付け朝日新聞)
埼玉県川越市の薬剤師・植松さん(女・70)の投稿文です。女性の容姿に関する意識は尋常ではない・・・と男のボクには思える。髪の色も重要なことである。折角の黒い髪を茶色や黄色に染めたり、その黒い髪が、白くなるとまた大変である。白くまだらにしたと思えばいいのに、今度は黒くしようとする。できないとなるとカツラにする。無頓着な人にすれば、何とも不思議なものである。植松さんもそんな努力をされてきた。そして、この抵抗をあきらめ白髪にしたとき「女優さんかと思った」という一言で、気持ちは大きな喜びに一転してしまった。一言で人間は変わるのだ、そんな見本のような話である。 こんなことを言うボクも実は白髪染めをしていたのだ。ボクも40代後半から白髪が目立ってきた。若白髪である。そこで妻の提案で白髪染めが始まった。月に1回程度妻にしてもらう。ところが月1回程度では分け目や裾の白髪が目立つ。返っておかしいであろうが、定年まで続け、そして止めた。友人から「おかしかった、この方がいい」といわれた。今ではほぼ真っ白である。植松さんと同じように褒められることもある。でも、妻にはまだ不評である。髪が白いから老人臭く見えるという。数ヶ月もすれば満70歳である、正真正銘の老人である。いくつに見せたいのであろう。女とは全く不思議な生き物だ。
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