2014/09/17(Wed) (第2001話) 根性植え付けた祖母 |
寺さん |
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“「ここまでよく頑張った」。優勝へと導いた中京の松井大河投手は、1回戦から1047球を投げた。スタンドで見守り続けた祖母勝子さん(72)は、幼い頃から育てた孫の雄姿に涙を浮かべた。 「タイちゃんに根性を植え付けたのは私なの」と勝子さんは笑う。3人兄弟の末っ子。幼い頃に両親が離婚し、以来、多忙な松井投手の父親に代わり、勝子さん夫妻が子育てを担ってきた。勝子さんは30年近く岐阜市内で居酒屋を切り盛りし、近所でも評判の「元気なおばあちゃん」。孫たちに「何事も一生懸命に取り組むことが大切。私もそうしているから、よく見ていなさい」と言い聞かせてきた。 「ちょっと口うるさいけど、言うことちゃんと聞かなきゃって思う」と松井投手。練習に行く時は「パワーを送てるから頑張るんだよ」と欠かさず声をかけた。疲れて帰宅すると腕や足をマッサージしてくれた時もあった。 「いつもありがとう。今日は勝つ」。朝、勝子さんから体を気遣うメールを受け取り、松井投手はこう返信した。右腕は腫れ腰にも痛みがあった。しかし「みんなの期待に応えたい」と勝子さん譲りの根性で最後まで投げ続けた。 勝子さんは「優勝したら旅行をプレゼントしてあげる」と約束していた。「大好きな温泉でゆっくり休んで欲しい」と勝子さん。松井投手は言う。「一番近くでずっと支えてくれた。おばあちゃん、ありがとう」”(9月1日付け朝日新聞)
前回に続いて全国高校軟式野球についての記事から、中京の松井大河投手とそのおばあちゃんの話です。1回戦から延長50回の準決勝を経て優勝までを1047球を投げ抜いたのはまさに根性です。この1047球を投げ抜いた松井投手の根性を育てたのはおばあちゃんという。おばあちゃん自身が嬉しく語っている。こうなるまでにはいろいろな苦労や努力がある。これは何についても同じです。 でも同じように苦労し努力してもこのように日の当たることは少ないでしょう。苦労して努力してそのまま消えていく人の方が更に多いでしょう。人は結果で判断します。結果は一瞬のことです。人間は生き続けていきます。人がどう思おうとも、本人は経過を重視していきたいものです。よくやってきたと思える経過なら納得しましょう。松井投手の場合、勝った結果より50回投げた経過が賞賛されているのは良かった。そしてそれまでのおばあちゃんとの二人三脚です。
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