2013/12/22(Sun) (第1875話) 次の10年 |
寺さん |
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“「まだ10年は生きられるだろう」と思った10年前、当時仕事をしていた宮崎市の本屋さんで「10年日記」を買いました。あれから10年、その日記の空欄があと、わずかになってきました。 それまで、日記をつけようとして何度も挫折を経験していました。でも、ある人のエッセーに「日記は書くことが無い日が何日か続くと書かなくなってしまう。食事は毎日とるので、食べた物を書くようにすると継続出来る」とあり、それは名案だと、思い切って買ったのです。 10年もの日々ですから、親の死や孫の誕生など、色々なことがありました。毎日書くたびに、過去の同じ日の思い出がよみがえります。また、十年一日、食べ物も同じ日に同じような物を食べていることが多く、笑ってしまいます。 先日、宮崎市に出かけた際、あの本屋はまだあるだろうか、日記はまだ売っているだろうかと訪ねたら、本屋さんも、日記もあり、うれしくなりました。どこの本屋でも買えるのですが、10年後にまた宮崎市に来ようと、もう一度、同じ日記を買いました。本屋さん、出版社さん、そして私も、それまで元気でいようとの願いを込めて。”(12月8日付け朝日新聞)
北九州市の下中野さん(男・62)の投稿文です。今62歳の人が約10年前と言うとまだ50歳過ぎたばかりの頃である。それが「まだ10年は生きられるだろう」と言う言い方に、少し戸惑う。これからが人生の最盛期である。そしてその後どのような人生を送られたのであろうか、興味が湧く。しかし、個人経営の本屋さんが残っていたのは幸いでした。これこそ10年はおろか数年先も分からない。 そして、日記に毎日の食事内容を書くという知恵に感心した。日記はなかなか続かない代表のようなもの。多分書く内容に行き詰まってしまうことが大きかろう。それを毎日取る食事内容を書くことにすれば、書くことは毎日ある。食事内容を書いて何になるのかという疑問はあるが、でも続けることによってそれだけでも結構いい記録になるのだ。それを下中野さんは証明されている。また食事内容を書くことは続ける習慣がつくまでの手段である。書かないと忘れものをしたような気分になり、落ち着かなくなればもう続く。ボクはこれでもう29年続いている。 ボクは2010年に太陽光発電をつけた。まだ20年くらい生きるだろうと思っての工事である。また、先日娘と孫のために、私が80歳まで払い続ける保険に入ってしまった。あまりにも楽観、欲張りすぎだろうか。
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