2013/10/01(Tue) (第1835話) 防災リーダー |
寺さん |
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“私は三年前、町内会長の役職を引き受けました。高齢ながら、地域社会への奉仕と心得て、やる以上は責任を持ってやろうと思いました。予期しなかったことは、前会長から大変な荷物を引き受けたことです。大きな段ボール箱数箱分のヘルメットやバケツ、衣服類などでした。ほとんどが防災用品で、しかも一度も使っていない新品ばかりでした。 区役所で辞令交付式があり、町内会長のイメージとは異なる区政協力委員と防災責任者に任命されました。間もなく、消防署で救急処置の方法など災害時には防災リーダーになるための講習を受けました。体力に自信がないので、せめて事務的な仕事で役に立とうと、住民名簿を完備させようと思ったら、個人情報保護法に抵触するとかでやんわりと断られました。 最近、世の中は建前ばかりが幅を利かし、例えば防災訓練を企画しても参加する人を集めるのが一苦労。一番体験し、しっかりと技術を身に付けてほしい人は人ごとと決め込んでいるのが現状です。在任中、幸いにも災害らしきものは何一つなく、無事に役目を終えることができました。”(9月11日付け中日新聞)
名古屋市の岩井さん(男・88)の投稿文です。この文にはいくつも考えさせられることが含まれている。今ボクが町会長を務めているだけにより感じるのだろうか。まず88歳で町会長と言うことである。今の時代元気な老人が多いと言っても88歳では大変だ。名前だけの町会長ならいいが、普通は先頭に立たねばならない。いろいろなやり方や組織があると思うが、それでもこうした高齢者を町会長にしなければならないのか。次に個人情報保護法である。先日ボクが出席した町会長会で、ある町会長から「個人情報が含まれているから扱いを慎重にして欲しい」と言われた。どこに個人情報があるかと一瞬首をひねった。何でも個人情報と言って公にしないのである。びっくりした。そして、参加者のことである。町会長をやっていて何が一番大変かというと、参加者を集めることである。ボクの地区でも10月終わりに防災訓練がある。役員でも参加しない。一般住民は言うに及ばない。他の行事でも同じである。町会長がこんな事で苦労していては、改革や新しいことに取り組む意欲も余裕もない。今町会長をやっているだけに言いたいことはいっぱいである。
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