2013/03/10(Sun) (第1737話) 命日に集まって |
寺さん |
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“豊田市の加藤真弓さん(五七)の三女知永(ちえ)さんは中学二年のときに重い病気にかかった。治療のかいがあり一時回復したが、高校受験の翌日に再発。合格通知が届いたものの、一日も高校へ通うことなく亡くなってしまった。二〇〇一年十一月二十三日のことだった。 その翌年の命日。知永さんが通っていた中学校のバレーボール部顧問の鶴田容子先生が、バレー部のOBや現役部員を連れてお参りに来てくれた。加藤さんは「なぜ、現役の後輩たちが?」と疑問に思った。生徒に尋ねると「バレー部の部室に、千羽鶴が飾ってあるんです。『これは何ですか?』と先生に聞いたら、加藤知永さんという先輩がいて、病気で大会に出場できなかった際に、仲間の勝利を祈って贈ったものだと聞きました。その千羽鶴を見てお参りさせていただきたくて」と言う。 そのことが語り継がれ、十年余りたった今も、命日になると加藤さん宅に大勢の後輩たちが集まる。もちろん、今は社会人となった知永さんの同級生の姿も。(中略) 「正直、最初のころは元気な子たちを見るのがつらかったです。でも、だんだんと励まされ、癒やされ、元気をもらうようになりました。今年は十三回忌です。皆さん本当にありがとうございました」と加藤さんは言う。”(2月24日付け中日新聞)
志賀内さんの「ほろほろ通信」からです。折り鶴が縁で、見知らぬ後輩が訪問を続けて10年以上、おとぎ話のような気がします。何がどんなつながりになっていくのか、人次第とは思いますが、不思議な気がします。温かい体験をいくつ積めるか、この逆の体験か、それによって人は大きく変わって来る気がします。 年度末です。ボクの村では毎年のようにこの時期いろいろな役員が交代します。ボクは今年度は老人会会長を勤め、4月からは町会長を勤めることになっています。こんな中にいるのでいろいろな話を聞きます。淡々と受ける人、しつこく断る人など様々です。ここら辺りにもその人の今までの体験が大きく関わっている気がします。ボクはまだ勤めをしていることもあって何でもというわけにはいきませんが、受けられるものは何でも受けるつもりです。こう思えるのも良い体験を頂いてきたからでしょうか。
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