2012/02/22(Wed) (第1571話) 世代による損得 |
寺さん |
|
“高齢者への風当たりが強まっている。年金、医療、介護とお年寄りにはコストがかかる。しかも日本は世界有数の長寿国。病院へ行くと、待合室はお年寄りであふれている。医療負担増にあえぐ国の悲鳴が聞こえそうだ。最近は政治家、役人、経済の専門家が盛んに社会保障の世代間格差を発信している。試算を見ると、高齢者を支える若い世代の不満が分かる気がする。 一方で反論したい気持ちもある。戦争中に生まれたわれわれの世代は、厳しい環境の中で育った。社会人になった当時は日本経済が発展途上で、豊かさを実感できなかった。それに引き換え今の若い世代は、生まれた瞬間から、豊かさを享受している。今、現役世代が前途を憂慮するのも理解できるが、トータルで考えると老いも若きも、さほど差がないような気がする。”(2月11日付け中日新聞)
名古屋市のパート・松隈さん(男・72)の投稿文です。一つの考え方の紹介であるが、ボクの常日頃言っていることでもあり紹介します。これからの日本を考えると悲観的になることばかりである。特に社会保障等、景気のいいときに作った制度が耐えきれなくなっている。社会情勢にあったようにいかに切り下げていくか、抵抗もあろうし、困難も伴うだろう。 我々世代は厳しい環境の中から始まり、上昇する時代に多くを過ごしてきた。これからの世代は、世界希なるいい時代から下り坂の中で過ごしていかねばならない。その結果、トータルでは世代間格差はそれほどない、松隈さんの言われるとおりだと思うし、ボクもそう思ってきた。これからの世代はいい時代を先取りしただけのことである。こういう捉え方があることを理解し、前向きに努力して欲しいと思う。理解をしても下り坂は苦しいものではあるが・・・それでもそう理解すれば少しは苦しみも和らぐだろう。 こういう意味でも、若い世代にはうっとうしいだろうが、我々の若い頃の貧しい話もしていた方がいいと思う。ボクは両親を亡くして、もっといろいろ話を聞いておけば良かった、と言う思いもあり、娘らに機会を捉えて話しておきたいと思う。 世代間格差の話は、各家庭のおいても個々人においても同じようなことが言えると思う。社会で羨ましいくらいばりばりやっている人が家庭のことで苦労していたり、あんな人がと思う人が家庭生活では恵まれていたり・・・トータルではそれほど違わないことが多いのではなかろうか。
|
|