2010/09/14(Tue) (第1336話) くつわ踊り |
寺さん |
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“少子化の影響で途絶えていた津島市中野町の「くつわ踊り」を十年ぶりに復活させようと、地元ゆかりの人たちが活動を本格化させている。はかま姿の子どもが歌に合わせて踊るにぎやかな民俗芸能で、踊り手となる子どもの確保が課題だ。校区内の保護者に理解を求めるため、二十九日に南小学校で説明会を開催する。 雨ごいの踊りとされ、子どもらが馬のくつわを鳴らしたり、タンバリンのような銭太鼓をたたいたりする。大人は歌い、傘を回す。戦国時代、清須城主だった織田信長に、津島の有力者が踊ってみせ、喝采を受けたとされる。 中野町の保存会が継承し、一九六七(昭和四十二)年に県の無形民俗文化財に指定された。ほぼ毎年、秋に地元の八剣社と津島神社で奉納してきた。しかし、町内の子どもが少なくなり、九八年ごろから踊りができなくなった。保存会も高齢化などで活動停止に。 「伝統を終わらせたくない」と、高校まで中野町で育ち、踊っていた印刷会社社長の八谷順一さん(46)が復活を計画。町内だけでは子どもが集まらないため、地元の南小学校区に広げて踊り手を育てようと決心した。二十九日の説明会では、保存会への加入を呼び掛ける。来年にも保存会の活動を再開させ、踊りを披露したい考えだ。 八谷さんは「踊りを指導できる入も一人になってしまった。復活させるなら、今しかな い」と意欲を見せている。”(8月25日付け中日新聞
記事からです。各地の伝統芸能も保存が難しくなり、危機に立たされている。こんな話題も多くなった。この津島市の「くつわ踊り」もそんな一つであった。指導できる人も一人となった今が最後の機会と、印刷会社社長さんが復活を計画、実施に取り組まれている話である。近くの地域の話であり、成功を祈りたい。 8月末に名古屋で開催された「にっぽんど真ん中まつり」は23000人の出演者に200万人の観客。こうした新しい大きな催し物も全国で開催されるようになった。今名古屋で開催されている「なごやトリエンナーレ2010」などを見ると、近代芸術の様々な発想に驚かされる。多種多様になったものである。人間なんでもという訳にはいかない、新しいものが起きれば古いものがすたれるのは自然のならいであろう。しかし、そう言っているだけで良いのであろうか。古いものと新しいものが存在してお互いの良さが分かり、調和した社会、豊かな社会と言えるのではなかろうか。 しかし、古いものを残していくには、新しいものを作る以上の努力がいる。また華やかなものには取り付きやすいが、地味な伝統芸能のようなものはどうしても敬遠される。くつわ踊りのような試みが貴重に思われる。
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