2009/12/06(Sun) (第1208話) 親ばかですが |
寺さん |
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“名古屋市緑区の村山佳代さん(51)が、高校三年生の息子さんと出掛けた帰り道の話。名古屋駅からJRに乗った。夜遅い時聞だったので、ほとんど乗客はいない。ドアが開いて乗り込み、席に座ろうとすると、息子さんは少し離れた所へ歩いていってしまった。「やっぱり年ごろの男の子は母親と一緒に座るのは嫌なんだなあ」と、ちょっと寂しい思いがした。 ところが、息子さんは誰もいない席に置いてあった空のジュースのペットボトルを手にして戻って来た。それを見て思わず「やだー、誰が飲んだか分からないような物を触らないでよ」と言うと「ごみだろ、こんなところにほかって」と答えた。村山さんは自分の言葉に恥ずかしくなってしまった。 息子さんは駅に着くとホームのごみ箱に捨てた。「ごめんね、嫌な言い方をして。それにしても偉いなあ」と言うと「別に当たり前じゃん」と言う。そういえば・・・。部活の合宿の帰りに学校へ迎えに行った時のことを思い出した。会うなり 「あ、これ、ごみが人っているから」とスーパーのレジ袋を渡された。自分が食べた後のごみかと思ったら、バスの車内に置き去りにされた菓子の空き箱やペットボトルを最後に集めて来たのだという。 「あなたは偉い」と褒めたという。村山さんは「親ばかですが誇りに思います。それに引き換え、まだまだ修行の足りない母親です。このように子どもに教えられることがしばしば。人は死ぬまで勉強です」とおっしゃった。”(11月22日付け中日新聞)
志賀内さんの「ほろほろ通信」からです。少し長くなりましたが、全文を紹介しました。まったく見事な息子さんだ。こうした行為も素直な小学生位ならまだ頷けるが、高校生ともなると猜疑心も強く難しい気がします。村山さんは全く表彰ものです。親の村山さんから学ばれた行為でもないようだし、何からこのような行為をするようになったのか、聞いてみたい。 こんな息子を誉めるのを親ばかというのだろうか。親ばかとはしなくてもいいような世話をしたり、自慢することでもない子供のことを自慢する親のことであろう。村山さんは大いに誇ればいいと思う。そして、子供から学ぼうとされる村山さんもなかなかいい。親の威厳とばかりに、子供には素直になりにくいものだが、人間対人間の対応になっている。やはりこの親にしてこの子ありであろうか。
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