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第25号  2006年5月

(第596話) かっこいい女 2006,5,30
 先日かっこいい旅人を紹介したが、今日はかっこいい女性の話である。
 “ニカラグアの農村から古里の岡崎市へ戻った竹内弘子さん(29)と出会った。助産師の資格を生かし、青年海外協力隊員として二年間頑張り、帰国したばかりだ。
 医薬品は満足になく、医師さえ知識不足と感じる場面に遭遇し「常識が通用しない」と悩んだ。そのすべてをさらりと笑顔で話す。
 ほんわかとした雰囲気で「この経験を生かして地域看護の道に進みたい」と、きっぱり話す竹内さん。自分の歩く、揺るぎない道を見つけている″かっこいい女″だった。
 日々の取材で、きらきら輝いている女性たちと接する。彼女たちに共通するのは、言い訳をしない、責任感の重さに動じずそれをパワーに変えている、どんなにすごいことを成し遂げていても現状に満足しないことだ。”(5月17日付け中日新聞)
 
 日本女性の社会進出も珍しくもなくなったが、それでも女性としてのハンディは少なからずある。そのハンディをものともせず、きらきらと輝くように活躍する女性がある。そういった女性に接することが多い記者氏の「かっこいい女性観」である。この3つはいうほどに易しいことではない。特に言い訳をしないなんていうのは、他の2つに比べ容易そうであるが、逆に難しい。自分などいつも正当化するために、つい言い訳をしてしまう。つまらぬ自尊心がそうさせてしまうのだ。
 この3つは男性にも重要だが、女性には更に難しいから「かっこいい女」になるのである。

(第595話) 立場かわれば 2006,5,29
 “フリーマーケットやバザーを見つけると、私はワクワクしがらのぞきにいく。掘り出しもんがあれば、十円でも安くしてもらい、手作りのビーズアクセサリーが並べられていたら、大量購入を武器に、やはり負けてもらう。そうして大満足のうちに、その場を去っていく。
 今日はリサイクルマーケットの催しものがあった。私が所属する障害者親の会も参加した。売るものは、新品のリサイクル品に自主製品。こんなお客さんがいた。
  「ねえねえ、ここにあるのって、寄付で集まってきたもんばかりでしょ? もとはかかっていないんだから、安くしてよ」−はい、と笑顔の私。
 私たちがバザーをするのは、会の啓発目的と仲間たちの自立に向けての資金作り。でも、毎回の収益は少ない。私はこれからフリーマーケットに出掛けても、絶対値切らないでおこう、と決めた。”(5月13日付け中日新聞)

 瀬戸市の主婦・吉田さん(45)の投稿文です。
 ウォーキングの大会や例会でいつも文句ばかり言っている人がいる。その一方、いつも丁寧な礼を言われる人がいる。そんな時、前者は役員をやったことのない人、後者はやった経験のある人と勝手に識別していることが多い。役員の経験をして、その大変さ、難しさを知ると、感謝はすれども、少々の不都合に苦情を言う気になれない。お互いの立場を知れば、理解と感謝がわくのである。感謝の気持ちが持てるのは幸せである。だから役員をするのも自分のためである。すべての人が立場を変えた経験をした方がいいと思う。

(第594話) 明るいニュース 2006,5,27
 “最近のテレビは暗いニュースばかり伝えます。痛ましい事件が毎日のように起きるので、一つ一つの事件をよく覚えていないほどです。
 僕は暗いニュースがなくなり、明るいニュースばかりになるのを願っています。いい事があると笑顔でいられるし、嫌なことを忘れることができるからです。だから、これから暗いニュースではなく、明るいニュースばかり見ようと思います。どんなことでもいいから、一つでも明るいニュースを多く見つけるのが僕の願いです。”(5月12日付け中日新聞)

 桑名市の中学生・村井さん(男・13)の投稿文です。ボクはこの文を読んでいて、暗いニュースを伝える目的はどこにあるのか、ふと疑問を持ってしまった。良くても悪くても事実を伝えるのが報道だから、また視聴者が欲するからといわれるのだろうが、悪いニュースを伝えて社会に貢献することがあるであろうか。特に新聞の社会面と言えば、暗いニュースを伝える面と特定されているかのようである。報道が社会をよくするという目的を持っているのなら、悪いニュースを読んで、悪いことをするとこのように報道されるので、気をつけねばと言うより、村井さんのように良いニュースを読んでボクも私もやってみようという方が有効な気がする。ボクもそう思って良い記事を紹介している。 

(第593話) 石井琢朗の母 2006,5,26
 34人目の2000本安打を達成した横浜ベイスターズの内野手・石井琢朗さんについて、5月12日の中日新聞の「この人」と言う欄に紹介されていた。

 “二十一歳の時に投手から内野手へ転向した。「ゼロからのスタート。練習は他の選手の二倍、三倍どころではなかった。僕は何でも自分で決めてしまう。転向を事後連絡した時、母親(栄子さん)に泣かれた」と当時を振り返る。
 栄子さんを語る時、目頭が熱くなる。栃木・足利工高からドラフト外でプロ入りした時も反対された。
  栄子さんは、野手に転向した石井選手が安打するたびに、五百円ずつ地元の信用金庫に預金。ある程度の額がたまると石井選手の名前で福祉団体へ寄付していた。激しい競争の中で神経をすり減らしていた息子の心に、恵まれない人に対する思いやりの気持ちをはぐくみたかったから。
 「母の行いを聞いて、自分にできることがあればと思った。いま一安打につき一万円を、横浜の福祉協会へ寄付している」”
 
 母親・栄子さんがなぜ 「激しい競争の中で神経をすり減らしていた息子の心に、恵まれない人に対する思いやりの気持ちをはぐくみたかったから」と言う発想になったのか、凡人のボクには及びもつかない。もっと直接的に励まし、癒やそうとするのが普通の発想だと思うし、この方法でどこまで理解できるか・・・。でも、母親のこの気持ちを理解し、精進し、更にもっと進めた形で実践している。この母親にして、この子あり、と言うことであろうか。さらなる活躍を祈りたい。ボクは石井選手についてあまりよく知らなかったが、これからは関心を持って見ていくだろう。

(第592話) 生活習慣 2006,5,24
 “私たちの体は年ごとに弱まり、消耗品みたいである。だから規則正しい食事と休養を心掛けることが大切だと思う。
 私の周りには最近、がんになる人が多い。将来的には二人に一人はがんになるそうで、自分もいつなるか分からない。
 そこで私が心掛けているのは、まず三度の食事は決められた時間に、栄養を考えてバランスよく食べること。さらにお茶をよく飲み、梅干しは一日一個ずつ食べ、疲れたらニンニクをマーガリンでいため、少し塩を振って食べている。”(5月19日付け中日新聞)

 名古屋市の主婦・久村さん(54)の投稿文です。「健康がすべてではないが、健康がなくてはすべてはない」「健康がすべてではないが健康を失うとすべてを失う」などと言われるが、まさにそうである。そのために睡眠、食事、運動などいろいろな生活習慣が大切になる。
 久村さんは、その生活習慣を食事の面から述べられている。人間の体をつくり、保っているのは食事であるので、もっとも大切であろう。しかし、この食事については、いろいろな人がいろいろなことを主張する。テレビなどではあれがいい、これがいいと毎日のように何かを取り上げている。それだけに訳が分からなくなってくる。ボクも今あるお医者さんが書いた本を読んでいる。それによれば、お茶よりもいい水を、マーガリンはもっとも悪い油、などと書いてある。ほとんどの人が勧める牛乳も人間にとってはよくないと主張される。読んでいると、もっともと思えてくる。いいと思って努力していることが、返って悪いことであったら最悪である。さあ、凡人はどうすればいいのか・・・・意見の分かれることには、極端に走らないことであろうか。

(第591話) 義母の目 2006,5,23
 角膜組織提供の話である。
 “大学病院のアイバンクから感謝状が届いた。「……崇高なお心と勇気に敬意を示すと共に、ここに感謝の意を表します」。義母を思い出して、こみあげるものがある。
 お正月、孫3人も顔をそろえた私たち息子家族と、にぎやかに食事をし、幸せな時間を過ごす中、食べ物をのどにつまらせて突然倒れ、その2日後に78歳で他界した。
 救命救急センターに着いた時はすでに心肺停止状態になっていた。急だったので、母の角膜組織提供を家族で決めるには迷いがあったが、移植コーディネーターの方が体に傷が残らないこと、両眼の提供で二人の方に光が戻ると説明してくれた。母も以前、移植をしてもいいと話していたこともあった。母がどこかで生き続けるのだと決断した。
 長い間、提供者を待っていらしたお二人は、移植後の経過も順調とお聞きし、何とも言えない喜びを感じる。(5月8日付け朝日新聞)
 
 東京都の主婦・下島さん(52)の投稿文です。医療技術の発達により、今や人体組織の移植は何でもありである。心臓移植など議論もあるが、ボクはおおかた容認の気持ちである。死んでいく身ではあるが、人によって考え方にかなりの違いがあるであろう。強制することはできない。でも提供してもかまわない、と言う考え方の人は提供の行動を起こして欲しいと思う。その内にとか、手続きが面倒だなと思っている内に、その機会を失してしまうかもしれない。
 実は、ボクは腎臓と皮膚の提供を登録している。かなり昔のことで、まさに貢献が近づいている今、家族にも意思をしっかり伝えておく必要がある。

(第590話) やり残した仕事 2006,5,21
 8日間の中国旅行を満喫し、昨日無事帰宅しました。今日からまた「話・話」を再開します。 

 “悔いのない半生ではあった。時代の先端を走るコンピューターに刺激を受け広告代理店に就職。三十八歳で独立して興した広告会社もうまくいった。
 だが、やり残していた仕事に気付いたら、居ても立ってもいられなくなった。「終わりから数えた方が早い年齢。急がないと」。少々の蓄えはある。会社をすっぱり畳むと昨年六月、有志数人で市民団体「武家の里 観光ボランティアの会」を結成し、第二の人生に飛び込んだ。
 主な活動は、名古屋城(名古屋市中区)などを舞台に月一回開く散策ツアーと、堀川の宮の渡し公園(同市熱田区)で運航されている遊覧船でのガイド役。着物姿で江戸情緒を演出しつつ、市民や観光客を相手にサムライ魂を説いている。”(5月7日付け中日新聞)

 これは名古屋の石浦さん(男・57)を紹介した文である。石浦さんは武士の精神世界に共鳴し、サムライ魂の伝道師をめざす。それも56歳の若さで誇れる仕事を辞め、ボランティアの世界へ。
 先日、屋久島へ行った。益救(やく)神社を訪れたとき、若い神主さんに会った。話を聞くと、この神社のことを勉強し始めたら、どうしてもこの神社の神主になりたくなり、それから神主の勉強を始めたと言われる。それも東京の人である。月1回東京から通って来るという。惚れ込むとはこういうことか。
 石浦さんもこの神主さんもボクにはよく分からぬが、でも人道にはずれることではあるまい。これだけの情熱を傾けられることを持っていることは素晴らしい。

(第589話) カッコイイ旅人 2006,5,12
 中日新聞に、コラムニストで小さな親切を広める「プチ紳士を探せ!」運動代表の志賀内泰弘さんと感動のキャッチボールをする「ほろほろ通信」というコーナーが始まった。先日書いた「気遣い」もこのコーナーからである。これからこのコーナーからの紹介が多くなると思う。今回もそこからである。

 名古屋市の水野さん(女・41)の数年前の旅先での話である。
 “家族で蒲郡ヘドライブに出掛けたときのこと。ご主人の運転する車が誤って溝にはまってしまった。立ち往生していたところヘ1台の車が止まり、中から出て来た50代の男性3人が手で押して手伝ってくれた。しかし、車はびくともせず3人もあきらめて行ってしまった。
 ところが、十分ほどして、その車が引き返して来た。1人の男性の手には、どこで調達したのか太いロープ。それを自分たちの車に結んで無事引き上げてくれた。お礼を言い、感謝の気持ちをお金にして渡そうとしたが受けもらえない。「今度、困っている人を見かけたら、同じように手伝ってあげてね。それが私たちへのお礼と思って」と言い残し去って行かれた。
 水野さんの3人の子どもたちは、それ以来思い出すたびに「カッコイイ旅人」と呼んでいるそうだ。「カッコイイ」とは、見てくれだけじゃなく、心の持ちようのことも指しているらしい。それもスマートで、さりげない行動ができる人。”(5月5日付け中日新聞)
 
 最近は、横目で見て走りすぎていく車が多いようであるが、それでも立ち止まって、手伝ってくれる車はままあるようである。しかし、ほとんどはここまでである。それが、見ず知らずの人のために、ロープを持って戻ってくる話になっては、なかなかある得る話ではない。「カッコイイ旅人」とはまた粋な呼び方である。それだけ子供さん達にスマートに写ったのであろう。
 「カッコイイ」とはほとんどの場合、外見的なことを指して使うであろう。でも本当にカッコイイのはこういう人たちのことである。こころにゆとりを持てば、カッコイイ老人になれるかもしれない。ボクももうゆとりも持っていいのだ。

 (明日から旅行に出ますので、この「話・話」は10日ほど休載します。) 

(第588話) 史跡に気付く 2006,5,10
 “私は自分が住む多治見市のことを聞かれても、思いつくことはありませんでした。でも最近、この街には、素晴らしい史跡がたくさんあることに気が付きました。
 多治見市には、国宝の「観音堂」がある永保寺があります。二年前、本堂が焼けてしまい、その再建のため多くの人が立ち上がりました。スーパーでは募金活動が行われ多くの人の浄財が集まっています。これは自分たちが住む街の歴史や文化を、大切にしたいという思いが強いからです。また、私の家の近くには修道院があります。この修道院は日本三大修道院の一つで、日本には数少ない大きなパイプオルガンがあります。多治見には、このほかにも素晴らしい所がたくさんあります。
 最近、自分が生まれ育ったこの街に愛着を感じず、都会に出て行く人が増えました。私は自分の生まれた街に、もっと誇りを持つべきだと思います。”(5月2日付け中日新聞)

 多治見市の中学生・大島さん(女・13)の投稿文です。大変いいことに気付かれたと思います。ボクも何度も多治見に行きましたが、史跡の多い良いところです。
 でも、多治見に限らず、どこの土地にも良い所があります。知らないだけです。ボクの住んでいる所など、何の起伏も変化もないただの平野です。繊維産業が盛んだったころは、朝から夜遅くまでバタン、バタンとやかましい町でした。繊維産業が衰退した今は、名古屋のベットタウンと化し、住宅ばかりが増えています。風光明媚さもなく、これと言った史跡も少なく、つまらない町のようですが、でも、ウォーキングに係わるようになって、町がだんだん見えてきました。知らないだけで結構あるのです。
 先日も、一宮友歩会の7月例会のコース作りに出かけて、自宅近くにあるお椀ほどの小さな城跡が、結構大きな敷地だったことを知りました。
 ボクはこの歳になって、気付きました。大島さんはまだ13歳、えらい!

(第587話) 音読 2006,5,8
 “夕方の6時から夫と娘が帰宅する7時までの1時間は、毎日ではありませんが比較的、自由に出来る時間帯です。「時間を有意義に使わなくては」と今年の初めに思い立って、健康のためにもと、新聞を声を出して読むことを始めました。
 声に無理をさせず、つまずかず、滑らかに読めた時はとてもうれしくなり、気分がリフレッシュされます。興味があったり心に響いたりした記事は切り抜いて、また、いつの日にか、再び取り出して音読をしています。目で追って読むのと違って、声を出して読むと臨場感もあふれ、書かれていることもよく理解出来ます。”(4月28日付け朝日新聞)

 松阪市の主婦・久世さん(58)の投稿文です。新聞を音読とは、全く思ってもいなかったことです。一人声を出して新聞を読んでいる姿を想像すると、何か笑えてきます。が、考えてみると、久世さんが言われるように、なかなか効用にある気がします。ボクも一度やってみるかな・・・・・と言っても、ボクにはなかなか機会はないが。どなたかやってみて、感想を聞かせてもらえませんか。
 それにしても人はいろいろ考えるものだ。それだから人の意見を聞くのは楽しい。

(第586話) 気遣い 2006,5,7
 相手に余分な気遣いをさせずに、親切にすることはなかなか難しいものである。大きな機転が必要である。この話はなかなか愉快で心温まる話である。

 “碧南市にお住まいの野崎元子さん(50)が、妊娠8ヶ月の時、知立市から実家の碧南市大浜地区まで行こうと最寄りの駅まで出掛けた。ところが、台風の影響で電車が不通に。夫は夜勤で不在。一人でどうしようかと困っていたら、サラリーマンらしき1人の男性が声をかけてきた。
 「奥さん、どちらまで行かれますか」。それに「大浜まで行きたいのですが、タクシーだとずいぶん高いですよね」と答えた。その男性は、すぐさま近くの2人の男性にも声をかけ、いわれるままタクシーに相乗りすることとなった。
 さて、一人目は刈谷市で降り、そこまでの料金を支払った。次の人は高浜市でメーターの差額分を支払い降りた。声をかけてくれた男性は、碧南駅近くまで来ると「良い赤ちゃんを産んでください」と言い残して、またそこまでの差額を支払い去って行った。最後に、野崎さんが実家の前でお金を支払おうとすると、運転手さんは「320円です」という。(安すぎる・・・) 一瞬戸感ったが、それは3人の男性の気遣いであったことにそのとき初めて気が付いた。”(4月27日付け中日新聞)

 電車が不通になって、同じ方面の人がいれば相乗りしてタクシ−で帰りたいのだが・・・・と、内心思ってもなかなか声がかけられない。少ないタクシーを長時間待って、高い料金を払うことになる。この場合、一人の男性のおかげで、最初の一人を除いて皆節約できたことになる。この男性は、野崎さんが妊婦さんであったから声をかけたのであろうか、そうであればまた素晴らしい気遣いである。

(第585話) 商売のこつ 2006,5,5
 “三河地方で自動車修理と中古車販売を手がける男性社長(66)は海外旅行をしたことがない。社長を知る人たちの一部で、これがちょっとした謎になっている。「飛行機が怖いのでは?」「出かける暇もないのでは?」
 ある日、本誌地方版の経済コーナーに原稿を送ろうと、社長に取材した際、社長は静かに口を開いた。「社員全員を海外に連れて行くまでは海外旅行に行かないことにしているんだ」。そこには社員を大切にする気持ちがあった。
 社長は続けた。「社員だけじゃないよ。支えてくれる家族やお客さんも大切にしなくちゃ、商売は絶対にうまくいかない」”(4月26日付け中日新聞)

 日本の昔の会社・企業には家族主義的経営というものがあった。経営者は親、従業員は子供。そんな時代を彷彿させる話である。この良し悪しについては様々な意見があろうが、少なくともこの社長の態度には、社長の心意気を感じる。自分一人で行くより、家族全員で行こう、行けるようになるまで頑張ろう、と言う心意気である。先日の「失敗」でもしかり、人間お金、効率がすべてではないのだ。
 ボクは日本企業の特色であった、年功序列、家族主義がまた見直されることを期待したい。もちろん、改善されての導入であるが、今のまま進行するとますますとげとげしい社会になってしまう。

(第584話) 交流術の効用 2006,5,4
 梶本音楽事務所取締役の佐藤さんが、4月25日付け中日新聞に、新進演奏家の心得を3点挙げていた。才能に大きな差がなくても、この3点を実践してるかによってキャリアに大きな差が出てくると言われる。そのひとつは親からの自立。ふたつには他人の演奏を聴く。そして、
 “3つには交流術を磨くこと。誰とでも会話を楽しみ、音楽以外にも好奇心を持ち、異業種の人々と交流を深める。偶然の出会いを積極的に活用する。
 私はこのうち「交流術を磨くこと」が、特に重要だと考えている。パーティーなどに招かれて関係者だけで群れているのと、見知らぬ人々に臆せず話しかけるのとでは大きな差が出てくる。音楽大学は演奏技術のほかに交流術を学生に学ばせることが大切だと思う。”
 
 交流術が有効なことはよく分かる。しかし、これは苦手な人には全く苦手なものである。ボクもその部類であったし、今もそんなに変わらない。その克服法を知りたいものだが、やはり一朝一夕に行かないだろう。まずは、克服したいという意欲と、幅広い知識の習得の気がする。第二の人生に向けて、この点を特に心がけたい。様々な人が集まるウォーキング会の場は、まさにうってつけだ。

(第583話) 失敗 2006,5,2
 “「大の大人が原っぱで模型飛行機を飛ぱすなんて恥ずかしいですかね? でも楽しいんですよ」。60代半ばの模型飛行機作りのプロは少年のような笑みを浮かべた。
 試行錯誤の末にうまく飛んだ瞬間「成功はもちろんうれしかった。でも『新たな失敗のネタを探なきゃ』とも思ってしまいました」。
 失敗も作品製作の原動力の一つ。「成功したから万歳だけが人生ではない。失敗をしない人は結局、新しいことを何もしてないんですよ」。その道のプロならずとも心に刻んでおきたい。(4月24日付け中日新聞)
 
 この人の話の中にボクには2点ばかり気を引く言葉があった。@「新たな失敗にネタを探さなきゃ」A「失敗しない人は結局、新しいことを何もしていないんですよ」という言葉である。@について、趣味で模型飛行機作りをやっている人の言葉なら分かるが、これがプロの話であるところに興味をひく。プロであっても単なる製作のくり返しではなく、追求・工夫したいと言うことであろう。追求・工夫には苦しみがつきものである。人間、苦しみがあって喜びがあるのである。プロで失敗が許される仕事というものはそんなにあるものではないので、そんなプロは恵まれていると知るべしである。
 Aについては言うまでもないことで、新しいことがいつも最初からうまくいくわけがない。新しいことに失敗はつきものである。
 いずれにしろ、失敗は自分自身に対する勲章と思って、落ち込むことなく励みにすることであろう・・・難しいことではあるが。

再開の心意気 2006,5,1
 4月は、書きためてあった4話を掲載したのみで終わってしまった。この4話で止めようと思ったわけではなく、週に2話程度は掲載できないかと思っていた。しかし、できなかった。中日、朝日新聞の2紙を見ていたのだが、適当な話が見つからないのである。実に不思議である。4月に入って、急に新聞の程度が落ちたわけではあるまい。
 世間は何の状況も変わっていない。変わったのは私の生活環境と心意気だけである。そして、それがそんなにも変えてしまうのである。外泊が多くて書けなくても、材料くらい見つかってもいいのである。それができない。そのくらい、心がけ、心意気は大きいのである。実体験、実感である。
 このままでは終われない。5月も外国旅行の計画があったりして、まだ生活が一定しないが、再開の助走のつもりで再挑戦してみたい。大言壮語、有言実行!


修行ランナー > 立場かわれば:本文を読んでいろいろ考えさせられた。地域の役員にかかわっているが、確かに経験のない人ほど不満や文句が多い。大所高所からものを見る目がないのだろう。自己保身ばかりに走っているといってもいい。こんな人は他人から惜しまれるという有終の美さえ無縁だ。 (2006/05/31 11:53:07)
ともちん > 立場変われば:文句ばかり言う人も居れば、悪気がなくても無神経な発言をする人も居ます。自分がどう言うかではなく、相手がどう捉えるかだと思うので、知らないうちに人を傷つけている事も多いと思います。何事も文句ばかり言う人は、普段の顔も不満顔になっていると思うので悲しいですね。 (2006/05/30 08:02:34)
ともちん > 明るいニュース:朝のワイドショーといえば悪いニュースばかり‥聞いていて暗くなるし人間不信になりかねません。マスコミも次のニュースがないといつまででも不幸なニュースを繰り返し流しています。マスコミにはもっと沢山の良いニュースを探して出来るだけ多く伝える努力をして欲しいと思います。 (2006/05/29 08:11:55)
悠澪 > 明るいニュース:被害者の悔しい思いを伝えるためと、国民に注意を促すために、暗いニュースも必要なのでしょうが、それにしても、暗いニュースが跡を絶たず悲しいです。明るいニュースはどこにもないような気がします。 (2006/05/28 21:52:03)
悠澪 > 生活習慣:何事も度を越してはいけないと言うことでしょう。身体に良いと言っても、摂りすぎ、やり過ぎは、かえって害になる。情報に惑わされずに、栄養も運動も偏らないように、バランスよくやりたいものです。 (2006/05/26 22:05:23)
悠澪 > 義母の目:私が脳死状態になったら、この体の使えるものはすべて使っていいと、それで一人でも二人でも命を救えるならと、家族には伝えています。あとは樹木葬が希望ですがどうなることでしょう。 (2006/05/26 21:59:00)
悠澪 > やり残した仕事:これほどに打ち込めるものがあって、それに飛び込んでいく勇気もあって羨ましいですね。人に感動を与えると思います。私は石橋を叩いて渡るたちですから、打ち込めるものがあったとしても、飛び込む勇気がないでしょう。 (2006/05/26 21:55:57)
ハイブリッジ > 義母の目 : 素晴らしい家族です。小生も提供には賛成、その後は灰にして海なり山なり自然に帰して欲しいと、家内には説明している。安楽死や尊厳死も然り。しかし、昨今の医療では殺人罪が適用される可能性も考えられる。正式に文書でしかるべき手続きを踏んでおく必要があるが、まだ行っていない。早急に手を打つことが肝要と、考慮中の昨今です。 (2006/05/23 19:41:23)
修行ランナー > 音読:これを聞いて、若い頃英会話を習っていた頃、テキストを音読したことを思い出した。新聞を音読するのとは意図が異なるが、音読することは活舌のトレーニングである。母国語、外国語を問わず音読トレーニングをしておけば会話をスムースに出来ると思う。 (2006/05/18 20:47:11)
悠澪 > カッコイイ旅人:人助けをして、お礼のお金を受け取らない人は多いでしょうが、「今度、困っている人を見かけたら同じように手伝ってあげてね。それが私たちへのお礼と思って」と言うところがすばらしいですね。ほんとうに“カッコイイ旅人”です。 (2006/05/13 21:46:27)
ともちん > かっこいい旅人:このような親切はずっと忘れないものですね。「かっこいい」は見かけだけではなく、人柄、生き方などにも当てはまると思います。私からするとウォーキングや川柳に励まれている寺さんはかっこいいと思います。 (2006/05/12 21:22:12)
悠澪 > 史跡に気付く:どんな町にも何か良いものがあるはず。我が町再発見の探訪をしてみるのもおもしろいかも。郷土愛が育つのではないでしょうか。 (2006/05/11 21:33:27)
悠澪 > 音読 :投稿者は愉快なことを思いつきましたね。人はそれぞれに考え方や思い付きがあって、人間ってほんとにおもしろいです。いろんな人の意見を聞くことができると、参考になりますね。 (2006/05/09 21:51:17)
悠澪 > 気遣い:野崎さんはよほど困惑されたご様子だったのでしょうね。それを見かねた優しい男性が思わず声をかけたのでしょう。基本料金を四等分にして最初に降りる人に、後の三人が前もってその金額を渡しておけば、最初に降りた人ももう少し安く乗れたのにと思ってしまいました。 (2006/05/09 21:44:54)
悠澪 > 商売のこつ :人と人との交流が希薄になってきた現代、このように、社員だけでなく家族やお客さんを大切に思う人がどれくらい残っているのでしょうか。悲しい世の中になりました。こんな人がもっともっと増えるといいです。 (2006/05/09 21:40:08)
悠澪 > 交流術の効用:大・大・大苦手です。克服しようと、子供の学校の役員を何度かしてみましたがだめでした。人前ではおどおどしてしまい、苦痛でした。交流術のある人が大変羨ましいです。が、まだ諦めてはいません。なんとか克服したいものです。 (2006/05/09 21:37:07)
悠澪 > 失敗:「失敗しない人は結局、新しいことを何もしていないんですよ」いい言葉です。失敗した時の励みになるでしょう。失敗は成功の元、失敗しても原因を追及して、工夫して、より良いものにしあげていくことがだいせつですね。 (2006/05/09 21:24:31)
ともちん > 気遣い:他人とのタクシーの相乗りなんて今の世の中では少し怖い感じがします。もっと他人を信用できる世の中だと良いのですが‥。このお話のサラリーマンの方は妊婦さんが安心するぐらいだから、何か優しいオーラが出ていたのでしょうね。 (2006/05/08 23:12:15)
修行ランナー > 再開の心意気:話・話のコーナーの再開を心待ちにしていました。一度中断すると再開はなかなか大変だと思いますが、強い決意の持ち主の寺さんであれば大丈夫と思います。マラソンなどでも道中でいったん歩きはじめると再スタートが辛いのに似ていると思います。気張らずにゆったりと続けよう。 (2006/05/04 08:16:12)
ともちん > 寺さん、お久しぶりです。お元気ですか?お忙しいと思いますが、話・話コーナーの更新を楽しみにしています。失敗:新しい事は本当に失敗がつき物ですね。失敗して恥をかいてでも挑戦する価値のあるものを見つけることができると良いですね。私も4月から新しい事を始めましたが、失敗が心地よい?のが不思議です。 (2006/05/02 18:12:57)

川柳&ウォーク