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(第553話) 時代の変化 |
2006,2,28 |
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“19年間パートとして勤めた店が閉店した。十年一昔というから二昔前は新人だった私も、今ではベテランとなり、働く環境もずいぶん変わった。週1回あった定休日はいつしかなくなり年内無休。さらに正月営業が始まり年中無休に。午後7時閉店だった営業時間は徐々に延び、今では深夜12時までの営業となった。
レジに至っては手打ちだったのが、バーコードが導入され、機械でピッ。年々複雑になり、最新のレジに変わるたび懸命に覚えたものだ。”(2月20日付け中日新聞)
豊橋市のパート勤務・竹本さん(女・53)の投稿文です。こうして時代の変化を淡々と並べられると、ふと考えてしまう、これが社会の進歩であろうか・・・。消費者として便利にはなったが、労働者としては過酷になった。一個人としては消費者と労働者が分離している場合もあるが、家族単位で見れば消費者と労働者の立場を兼ね備えている。機械が導入され能率が上がった分、労働が軽減され、家族や知人との交流が深められなどすれば、潤いのある心豊かな社会になったと言えようが・・・・現実は家族のすれ違いなど、逆に思えて仕方がない。
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(第552話) 心の利益 |
2006,2,27 |
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“先日、僕は自宅マンションのエレベーターで、ある女性と会いました。とっさに僕が「何階ですか」と聞くと、ハッとしたように階数を告げ、礼を言いながら彼女は出て行きました。おそらく彼女の思う高校生に対するイメージと食い違った行動だったのでしょう。 このことがきっかけとなり、僕は「利益」について考えるようになりました。人のために何かをして礼を言われ、得をしたように思えたからです。 今の日本人は、「利益」というと、お金のことばかりが思い浮かんでしまうかもしれませんが、「心の利益」こそ、追求していくべきものなのではないかと思います。”(2月17日付け毎日新聞)
さいたま市の高校生・島さん(男・16)の投稿文です。「心の利益」とは良い言葉を思いつかれたと思います。利益を求めて行動するのを、社会生活をする人として、いけないこととは言えません。その利益を求める行動が、人を欺いたり、迷惑をかけるものであってはいけないだけです。島さんのように人に喜ばれて、それが自分の喜びになり、それが自分の利益と考えられたらこの世は明るいものになるでしょう。若い人のこうした経験が発言となり、それが嬉しくて紹介しました。
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(第551話) 千代の知恵 |
2006,2,26 |
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NHKの大河ドラマ「功名が辻」が好評に進んでいる。今のところボクも毎回見ている。先日駅前でもらった無料マガジンに、功名が辻が特集され「千代の知恵」として、次の5つにまとめられていた。 1)夫には自信を持たせる。・・・「一豊様には運があります」などと、常日ごろから吹き込み、自信を持たせる。 2)上手に励まし、癒す。・・・いつも励ましてくれる妻がいるのは、夫にとって何よりも癒されるものである。 3)情報収集を怠らない。・・・夫の出世のために情報収集をする。 4)夫の自発的な行動を誘う。・・・こうすべきだと思っても、それをそのまま口に出さず、夫の口から言うように仕向ける。 5)いつも明るく愛らしく。・・・陽気になる秘訣は、明日はきっと良くなると思いこんで暮らす。
今までの日本では会社の話を家ではしないのが当たり前のような向きがあり、これでは妻には全く手助けしようがない。これが夫は会社、妻は家庭という役割分担につながってきたのだろう。家庭も共同で当たろうという時代なら、会社にも共同で当たるのが自然ではないだろうか。そうなると、千代のような内助の功が重要になる。これからの夫婦関係にはいろいろなパターンが想像される。
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(第550話) 2千円 |
2006,2,25 |
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朝日新聞には、お金に係わる思い出話が連載されている。「(第346話)10円玉」(2005年7月13日)を紹介したが、これもその中からである。
“高校に入り陸上を専門的に始めた私は、実家を離れ先生のお宅に下宿しました。その4月、祖母から現金書留が。封を開けると折り目の付いた「2千円」が入っていました。お札といっしょに「牛乳代」と小さなメモ。正直「たった2千円か!」と思いましたが、それは「1本70円の牛乳を30日分」という意味だったのです。”(2月16日付け朝日新聞)
スポーツライター・増田明美さんの思い出話です。小さいときから祖母の世話で、毎朝朝食時に牛乳を飲んで育ち、下宿してからは2千円の送金を受けながら牛乳を飲み続けたという話です。 “おかげで私は毎朝欠かさずに牛乳を飲む習慣ができました。高校時代にケガもなく日本記録を作れたのも今は亡き祖母のお陰だと思っています。”
成長した明美さんにはささやかな2千円ですが、おばあさんの思いは十分に通じたわけです。 我々はこのように誰かに見守られ、助けられながら生きていくのです。誰一人として、自分だけで成長できた人はいないのです。
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(第549話) ひな人形 |
2006,2,24 |
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女の子が生まれて、親が、または祖父母がひな人形を買われた家は多かろう。そして、子どもが大きくなったとき、そのひな人形はどうなっているのだろう。
“ひな人形も物置に置きっぱなしになったまま、十数年がたった。そんな折、地元の神社で処分していただけることを広告で知った。 全部処分するのは忍びないと思い、お内裏様と3人官女だけは残すことにし、残りは神社に持って行ってお焚き上げをしてもらった。 今年はひな壇は小さくなったが、ぼんぼりに明かりをつけ、老夫婦だけのささやかなひな祭りをしようと思っている。”(2月16日付け朝日新聞・要約)
瀬戸市の主婦・西塚さん(72)の投稿文です。このように扱いに困っている家も多かろう。それを西塚さんは上手に扱い、老夫婦の楽しみに持ち込まれた。 我が家の話を紹介しておこう。娘が生まれたとき、製造元へ行ってお内裏さん1対だけ分けてもらってきた。当時はまだ親王飾りなど売っていない時代だった。取り扱いが簡単なので、風にあてる意味もあって毎年飾ってきた。そして、昨年からこれを孫の生まれた娘の家庭に飾っているのである。全くささやかな飾りであるが、いい継承ができたと思っている。
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(第548話) 歩く目的 |
2006,2,23 |
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私のまわりでも健康のために朝なり、夜なり自宅近くを歩いている人がどんどん増えている。
“そもそも目的に向かって移動するのが私にとっての「歩く」であって、歩くことそのものを目的として歩くなどと言うことは、とうてい私にはできない。虚しい。恥ずかしい。良心にもとる。ご先祖様に申し訳ない気分なのだ。時間消費型の人生には耐えられない。つまり、歩けと言われても歩けないのだ。 そこで考えた。職場すなわち田畑への行き帰りを歩けばいいのだ。これならできる。”(2月15日付け朝日新聞)
農民作家・山下惣一さんの文です。山下さんが言われるように、歩くとは目的地に移動するための手段であったし、ある。今の多くは、体を使ってする労働を機械(または車)に任せ、美食し、そして健康という目的のために、本来は移動の手段であった歩きを取り入れている。トレーニングジムに通うのも同じだ。無駄もいいところだ。ボクも全くおかしいと思っている。山下氏のされたように、車をやめて歩くのが本来の歩きだし、環境にもいい。 しかしである、一度楽した生活はもうなかなか戻らない。そこで健康にために歩くのも、次善の策としてやむを得ないと思っている。そこでもう一歩進んでもらいたい。ボクの口癖である「歴史を訪ね、自然に触れ、友と語らう」と言う目的に、歩く手段を取り入れてもらいたいのである。健康はその副産物である。一宮友歩会はそのために活動を始めたのである。
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(第547話) 認知症ケア |
2006,2,22 |
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「(第6話)折り梅」(2004年6月12日)で紹介した、映画「折り梅」の原作者・小菅もと子さんが、認知症介護研究・研修センターなどの主催する「認知症でもだいじょうぶ」町づくりキャンペーン2005に応募し、特別賞に選ばれたことが、2月15日の中日新聞に掲載されていた。その中に「認知症ケア5つの作戦」が載っていたので紹介する。
*うそつきまくり作戦・・・義母の話を否定したり説教すると状態が悪くなる。うそも方便と割り切り、思いを寄り添う会話を。 *褒めちぎり作戦・・・絵や家事など、できることを褒め感謝すると、喜び落ち着く。近所の人やヘルパーとか外の人に褒められると効果大。 *ご近所アンテナ作戦・・・近所に声を明け、義母がはいかいする時に助けてもらうネットワークができた。 *サービス使いまくり作戦・・・介護は家族だけではできない。介護保険などあらゆるサービスを利用する。 *ストレス発散作戦・・・疲れてストレスがたまると危険。自分を大切にし、サービスを使って心身を休め、趣味や生きがいを持つこと。
我が家ももう長いこと痴呆の老母に付き合ってきているので、言われることはよく分かる。しかし、言われるほど簡単なことではない。特に「うそつきまくり作戦」や「褒めちぎり作戦」など、よほど人間が丸くならないとできないことである。ボクなど何度怒って自己嫌悪に陥ったことか。そして、ボクが思う特に重要なことは、一番近くでケアする人を、まわりの人が感謝の気持ちで支えることである。ゆめゆめ不足など言ってはならない。不足を言うなら自分が替わりなさい。
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(第546話) 混生 |
2006,2,21 |
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“知り合いの植物学者に教えてもらったのだが、一つの種だけが群生しているのは滅びの大きな要因なのだそうだ。例えば今絶滅の危機にある日本固有種のサクラソウが、そのいい例だとか。つまり、いろいろゴチャゴチャと混ざっている方が「良い」のだ。 「植物の限りません。人間も〈全部いっしょ〉というのは危ないですね。いろいろな文化があって、さまざまな生き方や考えがあるから、存続していけるんですよ」(中略) 「金子みすずの童謡どおり〈みんなちがって、みんないい〉のだ。武力や権力によって強引に〈いっしょ〉にするのは滅びの前兆なのだ」”(2月12日付け中日新聞)
おじさん図鑑の飛鳥圭介さんの文からです。混生とは種類の違った植物が入り混じって生えることをいいます。植物が単一種で生えると滅びの原因になるとは知らなかった。一見競争も少なくよさそうだが、自然界とはそう言うものではないのだ。これは人間社会に当てはまるというのが筆者の主張であるが、ボクには頷くことができる。例えば、組織などで優秀で頭に立ちたい人ばかりではすぐ分裂の種になる。指示待ちの人ばかりでは進まない。知恵を出す人、行動する人、下働きに徹する人、いろいろな人が混じってお互いを補うあう、これが必要なのである。このバランスが良く取れている組織が成果を上げるのである。その組織の中に貴賤はない。ボクも十分心せねばならない。
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(第545話) バレンタインデー |
2006,2,20 |
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“今年もやってきたチョコレート選び。私にとっては重要なことなのです。 9年前の1月19日。凍結した道路で、夫はスリップ事故を起こし、5日間の生死をさまよい、この世を去りました。生前、私と娘はバレンタインには必ずチョコを贈っていました。 亡くなった年のバレンタインには迷いがありましたが、私は遺影にチョコを贈ったのです。次の朝、チョコがもう一つ増えていました。ああ、娘も忘れないでお父さんに贈ってくれたのだと、優しい心に感謝しました。その後、私と娘はこの日になると贈り続けています。”(2月12日付け中日新聞)
岐阜県郡上市の主婦・細川さん(65)の投稿文です。生前していたように、夫の死後もチョコを贈り続ける妻と娘、哀しくも良い話だと思います。突然の死だったからより思いは募るでしょうか。理性では全く無駄な行為ですが、これが人間、こういう話は好感が持てます。 バレンタインデーの義理チョコには、商魂に乗せられてといささか否定的なボクですが、胸ときめくチョコであれば、これはいいものだと肯定です。男女交際に積極性の欠ける最近の若者に、本命チョコを大いに活用して欲しいものだ。
そしてボクは、ついに誰も相手にしてくれなくなった。
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(第544話) 同窓会 |
2006,2,19 |
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“60代の主婦です。毎年同窓会の案内には心ときめかせて出席していますが、いつもさみしく帰宅するのです。 孤独が好きで、社交下手の性格のせいかもしれません。数少ない友人からは、さっぱりして明るいと言われるのですが・・・。平凡で、取り立てて自慢話もない身がみじめです。”(2月12日付け読売新聞)
この文は、人生案内からです。この相談にデザイナーの森英恵さんは “あなたはきっと静かなご性格、そんな話の輪に入りそびれ、他の方々も声をかけにくいのではないでしょうか。決してあなたが嫌われているのではないと思います。 年を重ねていくほど友人は大切です。これからもどうぞ同窓会にはあなたらしく出席なさって、楽しい気持ちで家路につかれるよう願っています。” と回答されています。
私は、小学校・中学校の同窓会の永久幹事長のような役割をしているので、この文にはいささか気になった。幹事長として多くの人に参加して欲しいし、参加してもらったからには楽しく過ごして欲しい。そのように気配りしているつもりだが、このようにさみしく帰られる人はいなかったろうか、気になるところである。毎回参加されるから大丈夫だと思っていて良いわけではないのである。 森さんが言われるように、年を重ねていくほど、同窓生はいいもの、大切にしていきたいものだと思っている。この同窓会の時間を、人の話で聞くだけでもいいものと思って参加してもらいたい。あなたに伝わらなくても、きっと誰かはあなたの参加を喜び、認めている人がいるはずだ。 わたしのHP
に昨年「還暦同窓会」という随想を載せた。 http://terasan.web.infoseek.co.jp/zu039.html 時間があるときに読んで見てください。
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(第543話) 温情停車 |
2006,2,18 |
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“「JR東日本が停車駅を勘違いした受験生のために“温情停車”した」との記事を読みました。 東北新幹線や京葉線でも以前同じようなことがありました。これが本当に受験生のためになるのか、疑問に思います。”(2月20日付け読売新聞)
日野市の村井さん(男・22)の投稿文です。ボクは、この温情停車の話を今まで良い話として取り上げてきませんでした。この村井さんと同じように、本当によい話なのかどうか、迷う気持ちがあるからです。バスなどで他の乗客の了解が取れての話なら、良い話に取り上げるでしょう。電車の中で急病になったなどという不測の事態とも違います。一市民が電車を止めたなどとしたら大事件です。もう二度と浮かび上がれないかもしれません。それなのに、受験生にはどうしてこれ程寛容なのでしょうか。 ボクにはこれ程受験が重要視されていることが問題の気がします。この温情受験などまさに受験社会の象徴です。試験を受けられなかったことなど、人生のほんのひとつの失敗程度に捉えられないでしょうか。 さてこの受験生ですが、この温情受験を感謝し、合格でも不合格でも心優しい社会人として暮らすことができるでしょうか。堂々と胸を張って生きることができるでしょうか。ボクにはなぜか不安が残ります。
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(第542話) 耐震診断 |
2006,2,17 |
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“昨年12月、重い腰を上げて名古屋市が実施している無料耐震診断を受けた。我が家は昭和42年築の木造平屋建てだ。 明けて1月中旬、診断結果の報告を受けた。「総合判定(判定値)0.65(結果)倒壊または大破壊の危険があります」と言うものだった。 診断結果をもとに、知り合いの専門家に大雑把に見積もってもらった。市からの耐震助成金を上限60万円全額支給されたとしても、別に自己資金が100万円前後いるらしい。”(2月9日付け毎日新聞)
名古屋市の主婦・窪田さん(63)の投稿文。近い将来、東海大地震の発生が確実されている東海地方は、近年この地震対策で大わらわである。公共の建築物はもとより、企業、個人までその対応が始まっている。窪田さんが利用されたような無料診断も行われている。対策をすることに越したことはない。しかし、持ち出し用の保存食の準備、家具などの転倒対策などは比較的手軽に行えるが、建物となるとそう簡単なことではない。先日神戸の防災センターを見学する機会があった。地震の凄さを実感した。 実は、我が家は窪田さんよりさらに悪い状況にある。我が家は昭和23年築であり、昨年無料診断も受けたが、結果はさらに悪く、今対応に苦慮している。
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(第541話) 店の温かさ |
2006,2,16 |
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昨日は東横インの障害者に冷たい話を書いたが、今日は逆に温かい話を紹介したい。
“3年前、作業所の人たちと千葉方面に1泊旅行に出かけることになり、事前にその下見を行った。 海のそばに中華食堂が2件並んでいた。眺めも良いし、小ぎれいでとても気に入った。しかし、残念なことに、そのうちの1軒のトイレのスペースが小さく、車いすだと入れそうもなかった。「無理か・・・・」。私たちのつぶやきを耳にした店主が、「直しましょう」と決然と言ってくれた。 2ヶ月後、みんなで訪れたとき、その店のトイレは車いすでも入れるようになっていた。店主が自費で直してくれたという。 そればかりでなく、向かい側の海に下りるための段差もきれいにコンクリートで埋められ、なだらかになっていた。行政に要請してくれたとのことだった。”(2月9日付け読売新聞)
調布市の福祉作業所長・小畑さん(72)の投稿文です。自分の店の改造ばかりでなく、まわりの環境にも心を配る、これぞ店主の温かさであろう。世の中捨てたものではないが、こうした面でも格差が広がっている気がする。その違いはどこから来るのか・・・・ただ人間性の違いとは言えない気がする。軽率には発言できないが、ボクは最近、大手企業と個人店主の対応の違いをまざまざと見せつけられたことがある。力の優位さから大手企業がますます優しい対応になるのが本来だと思うが・・・・。
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(第540話) ホテルの発想 |
2006,2,15 |
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現在の日本社会は、上も下も寄ってたかって効率性を求め、コストの削減を図っている。 それをしないのは無能かのごとく・・・・。
“身体障害者用施設を「ほとんど使わないから・・・」と他の施設に改造していたホテルチェーン・東横インの記事を読むにつけ、暗然とした気持ちになる。 「利益の前には、弱者を犠牲にしても平気」と言う現実を突きつけられ、非常に残念だ。私たちは身近なところで、障害のある人たちに同じような不便をかけていないだろうか。”(2月7日付け朝日新聞)
この事件など、まさに効率を求める典型である。この社長が言われるように、年に数回しか使わないような部屋は非効率の最たるものである。最初の記者会見の模様をテレビで見たが、効率性、コスト削減は現代社会の正義であるから、何の悪びれたところがない。唖然として聞いたが、その後大きな問題となった。まだ良識は生きているという感じであるが、でも、この投稿者が言われるように、われわれは身近なところで同じような愚を犯していないだろうか。
この「話・話」の早いころ書いた、「(2004年6月3日第3話)携帯電話と車内放送」「(2004年8月9日第31話)点字ブロック」などの行為、電車の優先席、身障者用駐車場など犯したことはないだろうか。 これだけ豊かになりスローライフを叫ぶ一面もある。しかし、社会はまだまだ、と言うよりますます規制緩和をして競争社会を求める声が強い。これからも驚くような事件が出てくるのだろうか。
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(第539話) ブログ書き込み |
2006,2,14 |
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ボクのインターネット接続が1週間ばかり途切れ、この間大変イライラした。ホームページ始め、この「話・話」、掲示板、Eメール等、ボクはこれらのものを見るだけではなく、書くことで活用している。それらは誰のチェックを受けるわけではなく、瞬時に多くの人の目にさらしている。考えてみれば、空恐ろしいくらいの行為である。
2月7日の読売新聞の投稿欄に「ブログ書き込みマナー」と題するものがあった。 “ブログに書き込むときには、私は次の3つに特に気をつけている。 第1、感情の起伏の激しいときではないか。第2、個人名を出していないか。第3、表記の間違いはないか。 喜怒哀楽の感情が高ぶっているときには、得てして周りが見えなくなったり、反対の立場の人への思いやりを忘れてしまう。顔を見ないまま、文章だけで正しく思いを伝え合うのは本当に難しい。”
埼玉県入間市の主婦・高木さんの投稿文です。本当にこの3つは気をつけなければならないが、特に第1である。ボクのこの「話・話」はブログではないが、同じようなものである。この「話・話」は、事前に書きためておいて順次掲載しているが、掲載するときにはほとんどが修正している。そして、新聞記事等を読んですぐ書いたときより、多くは柔らかくなっている。こんな程度のことでも感情が高ぶっているのである。書いているうちに高ぶっていくのである。 これは何も文章ばかりではない。過激な発言や行動に出ようとするときは、一晩寝てからにすることが無難である。
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(第538話) 健康日本21 |
2006,2,13 |
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「健康日本21」は、厚生労働省が2000年に作り、国民の食生活や運動量、がん患者の数などを改善しようと、70項目について「目標値」を定めた。ぼくら公認ウォーキング指導者研修会では必ず出る話である。目標年次は2010年であるが、2003年の調査結果が2月3日の朝日新聞に出ていた。 それによると、70項目のうち約20項目で計画を作った2000年次より悪化しているというのだ。20〜60歳代の男性の肥満の割合は、計画時の24.3%から29.5%に悪化。目標値は15%以下である。朝食を食べない中高校生の割合は6.0%から8.7%に上がっている。目標は0%である。日常生活での歩数でも男女とも下がっている。 この原因は何なんだろう。単に計画を作っただけで何の普及活動もしてこなかったからだろうか。肥満の増大や歩数の減少は、ますます生活が豊かになった結果だろうか。朝食抜きの現象は家庭生活の乱れであろうか。少子高齢化の社会で医療費削減は重要課題である。政府行政ばかりでなく、一般国民全体がもっと本気にならないといけない問題だ。 先日ある講演で「皆さんは生きたくなくても80歳まで生きてしまいます。それなら、元気に生きたいとは思いませんか」と言われてしまった。全くだ、寝たきりで生きたら本人もまわりも辛い。健康に留意して元気で80歳を迎えたいものだ。ますますウォーキングの出番だ、ハイブリッジさんの出番だ。
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(第537話) 38回分の声 |
2006,2,12 |
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“冷たい雨が降りしきる中、花束が届きました。思わず「え!うちにですか?」と問い返し、何度も届け表を見て間違いなく私あて。送り主は夫からでした。 カードには「お誕生日、還暦おめでとう。今までいろいろありがとう。これからもよろしく」のメッセージが書いてありました。花束を抱きかかえたまま、動けませんでした。「ありがとう」・・・・やっと心の中で叫びました。 結婚して以来、私の誕生のお祝いをしてくれたことは一度もなく、毎年カレンダーに赤い丸を付け、「誕生日」と書いておいても何食わぬ顔で過ぎた38年間でした。「お父さん、ありがとう」。38回分の声で言いました。”(2月2日付け中日新聞)
稲沢市の主婦・長谷部さん(60)の投稿文です。この文を読んで、こまめにこうしたことをしている夫族は、こんな程度では非難するだろうし、していない部類は感心するだろう。ボクはもちろん後者だ。妻の還暦は数年後であるが、この文を読んだボクはどうするのだろう。もしかしたら、多分妻は「もったいない」というのではなかろうか・・・・言わない、言わないって?・・・・困ったなあ・・・ボクは50回分の声で言ってもらおうかな。
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(第536話) 半分損 |
2006,2,11 |
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1月31日付け毎日新聞の「女の気持ち」という欄を読んでいたら、「食べ物の好き嫌いのある人は、人生を半分損している」という言葉があった。なるほど、うまいことを言うと感心した。食べ物の好き嫌いの激しい人は、作る人、一緒に食べる人などまわりも大変だが、本人も大変だ。そして、損で栄養的にも良くない。誰もが好き嫌いは良くないと思っているだろうが、これはどこから来るのだろう。ボクは小学生のころ、病気の時に豆を食べて気持ちが悪くなり、それ以来苦手としている。今ではそれほど気にしていないが・・・・。 世に料理番組は花盛りである。それほどに興味があるのである。何を食べてもおいしい味覚音痴のボクは、果たして得なのか、損なのか。
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(第535話) お年玉プレゼント |
2006,2,9 |
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“結婚40年余のお年玉プレゼントかな?気持ちを新たに、始めて主人あてに年賀状を出した。 「本年も相変わらずよろしくお願いします」と少し気取って、毛筆でサラサラと書いた。珍しく、緊張感がいっそう心地よくしてくれた。 縁側の日だまりで、年賀葉書の当選番号をチェックしていた夫が、「この人、うまい字だなあ。でも、名無しのゴンベイだ。切手シートが当たっているのに」とつぶやいていた。 横で私はニンマリ。でも、40数年間、妻の字に気づかないとはあきれた・・・・こと。(1月30日付け中日新聞)
名古屋市の主婦・谷口さん(69)の投稿文です。これぞ熟年夫婦の遊び心であろう、なかなかほほ笑ましい話である。こんな夫婦に熟年離婚という言葉は無縁であったろう。 残念ながら、我が家にこんな話はない。何かあると、ボクはすぐに妻に書いてもらっていて、その字をよく知っているから・・・・。
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(第534話) 主体性と感謝 |
2006,2,8 |
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昨日に続いて、毎日新聞の「成人」と言うテーマの投稿からである。
“成人とは、人として成長すること、さらに言えば、人として成長し続けることと考えたい。人としての成長は、とても一言で語れるものではなかろう。だが、私自身が心がけていることは「生きていく」と言う主体性と「生かされている」と言う感謝の気持ちを忘れないことだ。 しかしそれは、言うはやすく行うは難し。人は弱いもので、ささいなことで高慢になったり、無気力に陥ったりする。この主体性と感謝の気持ちを持ち続けることは、成人となるための私の最大にして最終の目標だ。”
岐阜市の中学校教諭・小野さん(男・42)の投稿文です。成人の日でいう成人とは、年齢的に大人の仲間入りをしたと言うことであり、それでもって人として十分に成ったと言うことではない。そして、大人とは自分の責任で事に当たり、道を切り開くものである。しかし、人間は迷い揺れ動くものである。そこにひとつの信念があると迷いも揺れも少ない。小野さんはその信念として「主体性と感謝」におかれた。最大にして最終目標と言われるように、なかなか難しいことではあるが、ことある毎にこの2つのことを自問していけば間違いはない。立派である。 我60にして未だ人として成りえずである。
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(第533話) いまが一番若い |
2006,2,7 |
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毎日新聞にテーマを決めた投稿欄がある。「成人」と言うテーマで掲載のあった1月28日つけの新聞から、2編を紹介します。 “「若い」っていいなあと心から思います。成人のころ、毎日が日曜日のようで嫌でした。だらだらと時間を過ごしていたようで・・・・。でも、後悔はありません。そんな記憶があるからこそ「いま」を大切にしたい気持ちが強いのだし、人生に無駄はないと考えるからです。” 私には、今でも夢があります。かなうかどうか分かりませんが「いまが一番若い」と思っていますから頑張れます。今日の私は明日の私よりも確実に若いのですから。”
津島市の公務員・友松さん(男・53)の投稿文。この短い文の中から「若いっていい」「人生に無駄はない」「いまが一番若い」と言うキーワードが取り出せる。ボクには、若いっていいかは一概に言えないと思うが、後の2つは、実に教えられる。人生に紆余曲折、良いときも悪いときもあるが、どんなことも後の活用に仕方で生かされる。友松さんは、無駄と思った時間があって、いまを大切にしたい気持ちが生まれた、と言われる。 過去のことをいくら思っても仕方がない、問題はこれからである。そう思えばいまが一番若いのである。人間なんて、感じ方、捉え方で気持ちはころころ変わる。何ごともポジティブに・・・積極的、肯定的に捉えたいものだ。
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(第532話) 手作り机 |
2006,2,6 |
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やっとインターネット環境が整いました。再開します。
“我が家の6歳の双子が、この春小学校に上がります。入学に合わせて何を準備したらいいかとデパートや家具店のチラシを眺める毎日です。学習机を今買うべきか、1,2年先でもいいかなどと、迷っている折、ふと自分の子ども時代に使っていた机のことを思い出しました。 それは、建築板金業を営んでいた私の父が、ひとつ違いの姉と私が一緒に使えるようにと自ら設計し、仕事の合間を縫って作ってくれたユニット机でした。この机を姉と半分ずつ使いました。私たち姉妹は嫁ぐ日まで、この父の机と共に過ごしてきました。 遠く離れて住む老齢の父に、改めて「ありがとう」と言う気持ちを伝えたいと思います。”(1月27日付け読売新聞)
千葉県の主婦・矢埜さん(女・41)の投稿文です。「(第446話)竹馬」でも手作りの話を紹介したが、この話もいい話だと思う。姉妹と2人でひとつの机を、それも嫁ぐ日までと言うのがいい。小さいころは納得していても、高校生ともなるといろいろな要求をしたくなるものである。それを乗り越えてと言うのであるから、姉妹の関係も良かったのであろう。こうして使ってもらえば、父親冥利に尽きる。 ボクの孫も来年は小学生になる。娘が使っていた机がまだ我が家で眠っているが、この机を使ってくれないかな・・・・。どんな展開になるか、我が家も楽しみだ。
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休載通知 |
2006,2,1 |
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ご愛読ありがとうございます。 私のインターネットトラブルで、当分の間、新規掲載が出来ません。 早い復旧に努めますが、その間休載しますので、お知らせします。
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