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(第183話) 今何が一番ほしい |
2005,1,28 |
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“「お前さん 今何が 一番ほしい あれもこれもじゃ だめだよ いのちがけで ほしいものを ただ一つに 的をしぼって 言ってみな」 さっと返事ができそうに思ったが、それができない。それもそのはず、すぐに言える返事なら、「あれもこれも」のレベルだからだ。「いのちがけでほしいものを」と言われたら、もはやお手上げだ。自分のことでありながら、自分でわからない。”(1月16日付け中日新聞)
この詩は「相田みつを」の「にんげんだもん」であり、コメントは同朋大学元教授の池田勇諦さんである。欲しいものなどいくらでもあるのに、命がけで欲しいものと言われたら、熱烈な恋愛でもしているとき以外言えないだろう。考えてみればおかしなものだ、そんなこと言えなくて生きている目的も分からないだろう。
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(第182話) ピンピンコロリ願望 |
2005,1,27 |
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“人生80年時代の「理想の死に方」(文藝春秋・新年特別号)に答えた著名人の多くが、ピンピンコロリ(死の直前まで元気でいて周囲に迷惑をかけずにコロリと死ぬ)の願望を持っているのは、なるほど、と思う。 「歳をとって何もできず、歩行もままならぬようになってから、私はよく餓死することを考えた」(北杜夫) 「まわりの人々に迷惑をかけ、ひそかに『まだ死なないの』などと嫌がられて送る余生は生ではない」(佐々淳行) 「延命の医者の処置は断っている」(瀬戸内寂聴)
理想はあくまでも「ピンピンコロリ」なのである。”(1月18日付け中日新聞)
「ピンピンコロリ(PPK)」はハイブリッジさんの願望でもある。もちろん私の願望でもある。しかし、願望は願望である。そう思うように行かないのが人生である。PPKを言いながら、耄碌して何もできなくなったときに何を言うのかわからない。90歳になる我が老母もPPK願望だった。でも、もうほとんど寝てばかりの生活になっているが、「食事がおいしいのでまだ生きたい」といっている。
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(第181話) 人生の実力 |
2005,1,26 |
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“ホスピス医としては、客観的に見れば、辛い生活で幸せからほど遠い人生の終わりの時に「幸せな人生でした」といって亡くなった63歳の男性を思い出す。亡くなる1週間ほど前の回診の時、「入院したときのあの痛みがすっかり取れました。ここへ来て本当に良かったです。ありがとうございました。いろいろありましたが、幸せな人生でした」と言った。 物事が順調に進んでいるときは、人の底力は見えにくい。辛い、悲しい、やるせない状況、すなわち自分にとって不都合な状況になったとき、どのような態度でその状況に対処できるかで、その人の「人生の実力」が決まる。その中に、生きている証を見ることができ、その状況を幸せと思えるかどうかでその人の実力が決まる”(1月18日付け中日新聞) この文は、(第169話 矢先症候群)でも紹介した金城学院大学・柏木学長の文である。どうもこの学長の文には目が離せなくなりそうだ。 私は今までの人生で、残念ながら実力を発揮する機会が得られていない。まあ、たいした実力はないから、これ幸いであるが・・・・。
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(第180話) アドバシ |
2005,1,25 |
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私には始めて聞く言葉で、何のことかわからなかった。読んでみて、「アド」は「アドバタイズメント」の「アド」(それでもわからない、こんな言葉使ってくれるな)。「アドバタイズメント」とは「広告」のことであるそうだ。「バシ」は「箸」のこと。つまり、広告付きの割り箸のことである。 昔、割り箸は熱帯林破壊の元凶ということで、廃止論が渦巻いた。私は間伐材の活用を進めるからと、あまり意に介しなかったが、1月16日付け毎日新聞で「アドバシをよろしく」という文を読んで、少し知識を得た。また、その真偽を確かめるべく、いろいろ調べてみた。
現在国内で1年間に使用される割り箸は約280億膳で、その90%以上は中国からの輸入という。熱帯林ではなかったが、中国では伐採後何も植林されないので問題は同じであった。どうも日本の間伐材を利用した割り箸を使うのが、一番良い方法のようだが、割高であり、自由経済社会では一筋縄ではいかない。 「割り箸で日本の森林を守ろう」という運動は、日本産の間伐材を利用した割高の割り箸に、企業の広告を付けて値を下げ、普及を図ろうという運動である。割り箸一つであるが、問題は難しい。
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(第179話) 建設業の価値 |
2005,1,24 |
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“10年前の1月17日、阪神地区の東西をつなぐ生命線とも言うべき、JR神戸線も文字通り寸断された。震災から74日後の4月1日、驚異的とも言える早期回復を成し遂げた。この難工事の経緯がNHKの「プロジェクトX〜挑戦者たち」に取り上げられた。 工事期間中に現場近くに地域住民が掲げた手製の横断幕には、「工事の皆様おけががないように」という文字があった。1日も早く、復旧を臨む住民の気持ちの表れだ。復旧後には、「工事の皆様ありがとう」との横断幕が掲げられた。それを目にした、現場関係者一同は、建設業という自身の生業の価値を再認識した。”(1月17日付け建設通信新聞)
(第121話 土木の日)で建設業(土木)を見る目に対して、いろいろ不満を書いたが、それだけに横断幕まで出しての歓迎は、滅多にない嬉しい出来事である。土木現場で働く人を見て「ああいう人にならないように、しっかり勉強しなさい」と子どもに母親が諭す話があるがごとく、建設業は「きつい、汚い、危険」の3K職場の代表である。多くの人が活用するもの(公共物)を造り、補修し、災害復旧に汗する人たちにもっと温かい目が注がれることを願いたい。
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(第178話) 放題文化 |
2005,1,23 |
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“「○○放題」の勢いは止まらないようだ。インターネットや携帯電話は、「つなぎ放題」、「使い放題」で、新年会では、「食べ放題」、「飲み放題」。遊園地では「乗り放題」、「遊び放題」。消費者は一定額を支払えば、追加料金の心配がないから安心だし、事業者の側も、人的、事務的コストを削減できるというメリットがあるようだが、見逃してはいけないこともあると思う。 「○○放題」の文化の下では、使っていないときにもスイッチが入っている。必要な以上の食べ物や飲み物が用意されている。一つ一つの選択の結果、得したのか損したのかの感情がわきにくくもなっている。いろいろな感覚がマヒしていくような気がするのだ。 使い放題でも、使わないときには電源を切る。食べ放題でも残さない。ものの価値はしっかり見極める。当たり前のことではあるが、「放題文化」におけるルールを確立していく必要があると思う。”(1月15日付け読売新聞)
「放題文化」は私もよく利用している。確かに便利だが、ものの価値を見極めるのが大雑把になるのも事実だ。ものの価値を見極めないのは、経済社会の否定、経済人の堕落、放棄だ。二酸化炭素排出量を抑制しなければ社会では、食料を輸入に頼る日本では、特にものの価値を把握して、その価値を十分に生かす使い方に心がけねばならない。
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(第177話) 元気な名古屋 |
2005,1,22 |
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“昨年の後半、名古屋出身の私のところへ、名古屋について語ってくれという依頼が、何と10件も来た。人々がなぜこうも名古屋に注目するかというと、近ごろそこがやけに元気だからである。つまり、景気がよさそうで何かと目立つのだ。名古屋から東京へ、コメ兵や、みそカツ屋「矢場とん」などが進出する。中日ドラゴンズが優勝する。名古屋駅の駅ビル、セントラルタワーズが建設されて以来、駅周辺の景観が大都会的になっていたが、今度そこにトヨタ自動車などの高層ビルも建つという。おまけに、今年は愛知万博があり、それにあわせて中部国際空港も開港するのだ。 結局、名古屋が目立つのは経済の好調さが主原因であろう。ではなぜ名古屋は不景気から抜けることができたか、だ。それは、バブル景気の時にあまりむちゃなことをしていないからである。よく言われることだが、名古屋の経済人の慎重さが、いい結果を生んだのだ。経済的合理性のある名古屋人は、あの時の虚の繁栄に浮かれなかったので、傷が浅く、いち早く立ち直れたのである。”(1月10日付け読売新聞)
これは小説家・清水義範氏の文である。ここに書かれていることは事実であるが、本当に名古屋は元気なのだろうか。その中に住んでいる私にはよくわからない。元気と言われれば元気にならざるを得ない。さあ、自信を持って元気に行こう。
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(第176話) 「団塊」60歳代 |
2005,1,21 |
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(第20話 団塊の世代退職で・・・)では悲観的な予測を紹介した。1月6日付け読売新聞に、「団塊の世代」の言葉を作り出した堺屋太一氏の話が出ていたので紹介する。
“「団塊の世代退職で日本の経済と企業経営に深刻な影響を与える」という官僚的予測は、すべての仕組みを不変と断定し、中身の数字をいじくって将来をはじき出す手法で、大抵はずれる。とくに団塊の世代に関する官僚や「識者」の予測はみごとなほどにはずれてきた。 2007年先も官僚的予測ははずれだろう。団塊の世代は、60歳代になって働き続け、新しい産業と文化を興すに違いない。経験と体力とやる気のある優良な勤労者だ。多くは住宅ローンや子女教育の負担をすませ、退職金や年金に恵まれる。老親の介護が終わり相続財産を得る人も珍しくあるまい。つまり、人生でもっとも恵まれた時期を迎える。たとえ給与は低くとも好みの仕事と勤労形態を選ぶ、これをどれだけ上手に活用するかで企業の盛衰も決まるだろう。”
「官僚や識者の予測ははずれる」と言う堺屋氏の予測は是非当たってほしいところだ。氏の言われるように、私も「給与は低くとも好みの仕事と勤労形態」を選びたい。
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(第175話) 発明の対価 |
2005,1,20 |
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“世紀の発明と言われた青色発光ダイオード(LED)をめぐる裁判が、和解で決着した。発明した元社員(中村氏)に対して、会社は遅延損害金も含めて8億4千万円を払う。 和解決定後の中村氏の声明は挑戦的だ。「理系をめざす人には、実力が収入に反映される米国に来るように勧めたい」 「知的財産立国」を政府も産業界も唱えている。しかし、企業社会では肝心の理系の人材が冷遇されがちだ。そうした風潮への中村氏なりの抗議だろう。 言われてみれば、官庁も大企業でも、とかく文系出身者が羽振りを利かせてきた。上下関係や組織の和ばかりを優先する社会の軸を、地道な研究を重ねる人々の側にもう少し移してはどうか。”(1月12日付け朝日新聞)
私が大学に入るころは理系が難しかった。入学してからも難しかった。おかげで就職は比較的容易だった。理系に対する加給もあった。しかし、まもなく実態を知ると愕然とした。私は今までの実態なら、サラリーマンになる若者に理系を勧める気はない。社会や企業の仕組みを作るのは文系出身者だ。それに気づかないのが愚かだった。
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(第174話) 和顔愛語 |
2005,1,19 |
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寝たきりになった義母を4年にわたって在宅介護をしてみえる岐阜県各務原市の主婦・楳田さん(63)の投稿文である。 “知らない人に「あなたお嫁さん」と声をかけられました。「ええそうです」と答えると「どうしてそんなに笑顔で接しられるの。私は実の親でもできなくて」と言われます。 「大丈夫。開き直るというか、そう思ってもしなければいけないとなったら、笑顔でしていたら、きっとそのうち心が通い合うと思いますよ」。私も義母との間にいろいろあって辛い時期もありました。高僧に書いていただいた「和顔愛語」。この言葉を心に刻んでいます。”(1月10日付け中日新聞・要約)
我が家も90歳の老母の介護に一喜一憂の毎日である。私などは言っても無駄と知りながらも、ついきつい言葉で言ってしまったりする。妻は「和顔愛語」の言葉を知ってか知らずか、穏やかに接している。敬服に値する。そんな妻に今年から実母の世話も加わった、どうなるのだろう。
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(第173話) 青春とは心の持ち方 |
2005,1,18 |
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“「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方をいう」。サムエル・ウルマンの「青春」の一節。「青春とは人生の深い泉の清新さをいう・・・・臆病さを退ける勇気、安きにつく気持ちを振り捨てる冒険心を意味する。ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある」。(作山宗久訳) 年を経ても、人生の泉や井戸に若々しい清水をたたえ、よき「青さ」を忘れぬ人たちがいる。そんな心ばえを大人が一層示すことでも、立ちすくんでいる若者たちが歩き出すかもしれない”(1月10日付け中日新聞)
コラム氏が、成人の日に新成人を憂えての文からの抜粋である。青春とは、夢や理想を抱くことともある。我に60歳の青春はありや・・・・。 (第166話 カキクケコ老人)でともちんさんが「この方は老人ではない」と1行メッセージで書いているが、「考え、記録し、工夫し、研究し、行動する」、これができれば青春である。
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(第172話) 5円のお祓い |
2005,1,17 |
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“年末商戦などの影響で毎年1月は売り上げが落ち込む。そこで打開策を探る会議が開かれた。私は、5円玉をお祓いしてもらい、それをお客様に配ったらどうかと提案した。 「良いお年玉だね。この年でお年玉をもらうとは思わなかったよ」と喜んでくださった。でも一番嬉しかったのは、「1年後、5円は神様にお返しします。代わりに来年の分と交換します」と袋に書いておいたところ、ほとんどの方が翌年、5円を持ってきてくれたことだ。「日本人はまだ捨てたものではない」と思った瞬間だった。”(1月9日付け読売新聞)
愛知県刈谷市の竹内さん(41)の投稿文である。 私は、京都の宇治平等院から福井の永平寺までいっしょに歩いた班長さん夫妻から「お祓いを受けた5円玉」を毎年いただいている。鎌倉の銭洗弁天で5円玉に水掛をして清め、お米の穂も付け、「本年もあなた様にとりまして、元気に楽しくウォーキングできますように、お祈り申し上げます」の言葉と共に年賀状として送られてくるのである。この温かい心づかいはいかにしたものか。私はこういった人に囲まれているのである、ありがたいことである。 この5円玉は1年間私の財布の中にあるのである。そして、前年の5円玉はどこかの賽銭箱にはいっていくのである。
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(第171話) 川柳で***もいりません |
2005,1,16 |
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“区内の老人福祉センターの川柳教室に仲間入りして、もう5年になる。センターの「おたっしゃ表彰」に私の教室から101歳のYさん、91歳を目前にしたNさんが選ばれた。川柳歴25年のベテランである。お二人に元気の秘訣をお尋ねしたところ、異口同音に「川柳をやっていると医者も薬もいりまへん」。目を丸くした。趣味は人生を楽しませ、若返らせる。大勢の同好者が集まって話し、笑いあうのが良いのかも。除福が求めていた不老長寿の妙薬は、これだったのかも知れぬ。”(1月5日付け毎日新聞)
大阪市の井西さん(78)の投稿文である。川柳の話ということで紹介した。川柳の効用を分かっていただいたでしょうか。皆さんも書いてみませんか。その折りは私の「川柳観」も参考にしてください。 ボクも妻も川柳歴は来月で満25年を終える。これではいくつまで元気で生きねばならないだろうか(^o^)。
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(ともの米国便り第12便) ニューヨーク編B |
2005,1,15 |
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ニューヨーク滞在3日目は、ロックフェラーセンターのあるミッドタウンに出掛けました。 ロックフェラーセンターは毎年趣向を凝らした大きなクリスマスツリーで有名です。 このツリーの下には金色のプロメテウスの像と大きなスケートリンクがあり、順番を待つ人の列が長く続いていました。 ロックフェラーセンターの正面は、5番街。高級ブランド店やビジネス街で有名です。
年末とあってすごい人出でした。 ブランド店の中でも、一際高級感が漂うのは、オードリー・ヘップバーンの映画で 有名な高級ジュエリー店「ティファニー」でした。 回転扉の前には強面のガードマンがいて、手動の回転扉を回してくれます。(笑) 中に入ると、広いの一言!それもそのはず、1階のフロアは新作のファッションショーを
行う事もあり、通路もひろく、広々としていました。お店は6階までフロアがあり、 食器なども売られていました。
夜は「めんちゃんこ亭」と言う、ラーメン屋さんに行きました。 半年振りに食べたラーメンは、鉄のお鍋に入って出てきて「鍋焼きラーメン」 という感じでしたが、とても美味しかったです。
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(第170話) 温泉名人の心得 |
2005,1,14 |
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昨年は温泉の表示問題で揺れたが、それでも今は空前の温泉ブームである。それだけにマナーも重要になる。「別府八湯温泉道表泉家の心得」なるものからの抜粋が、1月4に付け毎日新聞に掲載されていたので紹介する。読むほどになかなか含蓄がある。
“一つ、入浴マナーを守ること・・・局所へのかけ湯不足、水道水のむちゃ出し、大声で の仲間うち会話がもっとも忌み嫌われものと心得ること。 一つ、同時入浴者との親ぼくに努めること・・・とくに湯温調整には気を払い、水道水の 加水は温泉成分を薄めてしまうものと認識し、「すみません、アチチなので」の 一声をかけること。 一つ、自らを客とは思わぬこと・・・とくに共同温泉では、他家の浴室を訪れる気持ちを 忘れぬこと。地球の恵みたる湯を純粋に信奉し、感謝すること。 一つ、湯の質をよくよく見極めること・・・風呂設備のみにとらわれることなく、湯その ものの質を味覚・触覚・嗅覚・視覚を総動員して見極め、それぞれの湯の個性を 楽しむこと。また、その楽しさをうるさがれるほど語ること。”
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(第169話) 矢先症候群 |
2005,1,13 |
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“我々は生の延長上に死があると思っている。しかし、実際には、我々は日々死を背負って生きている。しかし、死は突然訪れることもある。事故や災害による突然死はその典型である。 「定年になってから」「もう少し時間に余裕ができてから」と、したいことを先送りしているうちに「矢先症候群」にかかるかも知れない。刹那的に生きることをお勧めしているわけではないが、したいことはあまり先送りしないですることが、「矢先症候群」という病気の予防になると思う。”(1月4日付け中日新聞)
「矢先症候群」という言葉はこの文を書かれた金城学院大学・柏木学長の造語である。
「****と言っていた矢先にがんで倒れました」という「矢先」である。私もこういった事例を多く見ている。今我が家にとって最大の問題は、二人の老母の介護とどう両立させていくかであるが、二人を看取ってからなどと言っていたら、それこそ矢先症候群だ。
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(第168話) ホンモノを食べてみて |
2005,1,12 |
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“たとえば「ダイコンおろし」。自分でおろさない限りホンモノを食べることは不可能です。すり下ろした冷凍品、冷凍の輸入品が広く使われていて、ほとんどの人が気づかずに、というより無関心で食べています。とくに若い人がそうです。 そりゃま、別に構いはしませんが、しかし、情けない。栄養や健康に良い悪いという以前の問題で、こんなことでは命のつながりが見えてこないばかりでなく、農家は野菜を作る目的が分からなくなってしまいます。たとえダイコン一本でも生きものなのです。命があるんですよ。こだわって育てているのです。”(12月26日付け朝日新聞)
(第124話)でも紹介した「未来を生きる君へ」の欄から、作家であり、農業者である山下惣一さんからの伝言である。ホンモノを食べてみてよという叫びである。 私は専業農家の家庭で育ったから、小さな時から野菜作りを見て育ち、ホンモノを食べて育った。そんな私は、野菜には旬というものがあり、年がら年中でている野菜は野菜の顔をしているだけだと思っている。本当に冷凍のダイコンおろしってあるのですか?
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(第167話) 日本最初の市電 |
2005,1,11 |
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“日本最初の市電が走った当時の京都の話。京都の市電は人力車より遅いほどの速度で走った。その訳は、人間が電車にぶつかったら大けがをするのが必定で、それでは人間の便利さのための文明の利器が、人間に危害を加えることになり、本末転倒になると考えたからである。さらに、老人や子どもに声をかけ電車が来ることを知らせる「電車の先走り」をする専門家の人を雇った。 この話、詩人の金子光晴さんが小学校に上がったころの思い出として書いているから、明治35、36年ころのことであろう。”(12月22日建設通信新聞)
これは、日本のあらゆる仕組みも価値観も、成長、拡大、増加を是として構築されている中で「ユニバーサル社会とは何ぞや」と、自問している論評の中で筆者が紹介した挿話である。日本の社会も富者と貧者、強者と弱者の二分化がますます進んでいる。ユニバーサル社会などという言葉は、そんな社会の単なる言い訳に使われているだけではないだろうか、そんなことを考えさせられる話である。
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(第166話) カキクケコ老人 |
2005,1,10 |
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“バリアフリーで至れり尽くせりの改装も結構だけど、自分である程度努力しないと、身体が順応しなくなるからね。これから寒くなって外出が少なくなるから、カキクケコ老人でいたいね。考え、記録し、工夫し、研究し、行動しよう。 知人の振り袖をほどき、額にしましょうか?巾着にしようか?テーブルランナーにしようか、とりあえず、この部分で袱紗を作ってみよう。白髪頭を付き合わせながら、3R、3S。老人の楽しいひとときでした。”(12月27日付け中日新聞)
一宮市の主婦・犬飼さん(71)の投稿文である。全文を紹介したいところだが、後半のみにした。カキクケコ老人とは始めて聞いたが、これは犬飼さんの造語だろうか、うまく言ったものだ。身近なところで現代社会に必要な3R、3Sを実践しているのも素晴らしい。3Rとはリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再利用)のこと、3Sとは整理・整頓・清潔のことである。 「カキクケコ」については、「脳を活性化させるカキクケコ」というものもあり、これは当ホームページの「ウォーク名言集」でご覧ください。
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(ともの米国便り第12便) ニューヨーク編A |
2005,1,9 |
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ニューヨーク滞在2日目は、主な見所として、グランドゼロ・エンパイヤステートビル・タイムズスクエアに行ってきました。 まずグランドゼロですが、地下鉄の「ワールドトレードセンター」の駅の構内に到着すると、 電車の車窓からまるで工事現場のような景色に遭遇します。 「ここが‥?」と思うような感じです。 グランドゼロの周りには金網が張ってあり、金網にはテロ前の写真、テロ後の写真のパネルが いくつも掛けられていました。 観光客もたくさんおり、言い方は悪いですが、観光地化していました。
その後、ニューヨーク証券取引所前に飾られているクリスマスツリーを観てから、 地下鉄に乗りエンパイアステートビルに向かいました。 午後4時頃にビルに行くと、何の行列なのか分からない長い列が続いていました。 そう、これはビルの展望台に登る為のチケットを買うための行列だったのです。 チケットを買うのに40分、エレベーターに乗るまでに1時間近く待ち、ようやく 展望台までたどり着くことができました。 運良く、当日はあまり寒くなくお天気も良かったので、遠くまでマンハッタンの夜景を
見る事が出来ました。
その後30分歩いて新年のカウントダウンで有名なタイムズスクエアに行き、 吉野家の牛丼を食べて帰りました。
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(第165話) 「ありがとう」克服法 |
2005,1,8 |
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(第161話)で「ありがとう」という言葉の重要性を書いたが、「ありがとう」を言わない人は言おうという気持ちがないからだと思っていたが、その気持ちがあっても言えない人があること、そしてその体験的克服法が12月14日付け読売新聞に載っていた。
“@言葉に詰まったら笑顔を作る。笑顔が言葉がわり。そのうちいつの間にか自然に言えるようになった。
A「ありがとうございました」の前に「どうも」をつける。「どうも」に意識を集中して大きくはっきり言うと、後はすんなり続く。
B心の中で・・・蟻が10匹(ありがとうひき)・・・と、繰り返し、それに続けて、「ありがとうございました」と大きな声で言う。 C「ありがとう」の「あ」の口の形で軽く息を吸い、言葉を発するのは「り」からする。続けていくうちに言えるようになった。”
克服の共通点は、自分なりのルールを見つけることのようだ。その努力はしなければならない。人間は体験、環境などによってさまざまな人格になるもである。軽々に判断してはならない。
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(第164話) 三河湾の鬱憤 |
2005,1,7 |
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“三河湾に浮かぶ「日間賀島」という小さな島がある。名古屋に住むまで、この一帯がフグの大産地とは知らなかった。福岡や山口での勤務が長かったため、フグといえば下関、関門海峡を見ながら食べるフグこそが本場で最高と信じてきた。だから、すでに10年以上前から東海近海が日本最大の産地となり、時には下関市場の半分以上を占め、「下関ブランド」の陰に隠れてきた事実を知ったときは、少なからずショックだった。”(12月26日付け毎日新聞)
毎日新聞中部報道センターの森記者の文である。文の中には、愛知県一色町の養殖ウナギについて、国内産養殖ウナギの4分の1を生産し、自治体別では全国一、7割はウナギが名物の静岡などの近県に流れていくことも紹介されてる。 ボクはこの2つについて、以前から愛知ブランドがないことを苦々しく思っていた。愛知県は工業立県であると共に、農業立県でもあるのだ。西尾の抹茶、碧南のイチジク、祖父江のぎんなん等、日本一が数多くあるのだ。
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(第163話) 靴修理、目標達成へ |
2005,1,6 |
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“「あと175足で、二人の目標の1500足を達成できる。体を壊し、気も弱くなって一度は修理をやめたけど、生きがいを失うのが、こんなに辛いものかと・・・・」。引退決意後、体だけでなく、ずっと心が痛み続けたと打ち明けた。生活に困って働きたいのではない。「このままだと、あと何年あるか分からない人生に悔いを残す。1500足を終え、二人で泣いて喜べたら、翌日ぽっくりいってもいい」。祈るように手を合わせてそういった。”(12月21日付け中日新聞)
これは、足の不自由な人たちの革靴修理を無償で続けてきた津島市の星野さん夫婦(76歳)の話である。体を壊したお二人が、今年7月、50年余の奉仕作業から無念の引退をした。体が少し戻った年明けから、目標達成に向けて再度無償の靴修理を再開するという。 奉仕作業も素晴らしいことながら、目標を持つことの重要性も教えられる。(第127話)の「目標を設定しない方がいい」という話と矛盾するように思えるが、私は何事にも「状況」という要素があると思う。他の話でもこの状況を考えないと理解できなこと、適用を間違えることが多々あると思う。
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(第162話) 快眠8ヶ条 |
2005,1,5 |
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“仕事人間が眠らないリスクは小さくない。南オーストラリア大の調査によると、15時間眠らずにいる人の意識レベルは日本の酒気帯び運転と同じ、起き続ける時間が18時間では、酒酔い運転並みになるという。適度な睡眠を取らないと仕事の効率は落ちるばかりで、「残業で徹夜」は逆効果なのだ。 そして快眠8カ条として、@「日中の充足時間」がバロメーター、8時間睡眠にこだわらない。A起床時間は毎日同じに。Bわずかな昼寝が仕事効率を高める。C夜はカフェイン摂取を避け、運動を習慣づけるなどの工夫。Dぬるめの入浴や軽い読書など就寝前には自分なりのリラックス法を。E寝室は寝るとき以外は入らない。F無理に眠ろうとしない。遅寝早起きも一方。G医師に相談、体や心の病気をチェック。”(12月19日付け日本経済新聞)
(第50話 不眠と自殺)では不眠は自殺にもつながるという話であったが、今回は、不眠は酒酔い運転だと同じだというまたびっくりする話である。私は幸い不眠で悩む生活はしていないが、この8カ条で実施していることは、ABEFであろうか。
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(ともの米国便り第11便) ニューヨーク編@ |
2005,1,4 |
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年末に3泊4日で、ニューヨークに行ってきました。ワシントンDCからは車で片道約5時間です。距離にすると、「東京〜岐阜」位の距離です。 ニューヨークまでの道のりですが、ほとんどバイパスを走っていきます。 日本の高速と違う事は、通行料金がとても安いことです。 6箇所の料金所がありますが、合計16ドルしかかかりません。
初日は、「ウッドベリーコモンアウトレット」というニューヨークから更に北へ1時間の所にあるアウトレットに行ってきました。 お買物好きの私には、嬉しくてたまらない所でしたが、途中から雪が降ってきたので帰りのことを思い早めに退散しました。 アメリカにはスノータイヤやチェーンは無く、オールシーズンタイヤというタイヤが一般的のようです。 また雪が降っても除雪車がすばやく対応してくれるので、助かります。
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(第161話) 五つの「あ」 |
2005,1,3 |
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私は「プレジデント」という雑誌を定期購読している。昨日に続いて「プレジデント」から紹介する。モルゲン人材開発研究所澤田所長の文からである。 “五つの「あ」がない人は仕事がうまくいかないという話をよくする。 @挨拶ができない Aありがとうが言えない B謝れない C頭を下げられない(お願いしますと言えない) D新しいことに取り組まない。”(2005 1.3号)
この言葉は仕事に限らない、人生全般に重要な言葉である。 この本からこういった言葉を紹介し始めたらきりがない。毎号、「プレジデント 言行録」としてその本に出てくる著名人の言葉をまとめて紹介しているページもある。いくら読んでも実行に移さねば、読まないと変わりはない。
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(第160話) 「やけ食い、ドカ食い、ながら食い」防止法
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2005,1,2 |
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肥満の弊害については今更いうことでもない。山陽新幹線での居眠り運転で話題になった「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」も肥満によるケースが多いという記事の中で、肥満に結びつく「やけ食い、ドカ食い、ながら食い」の防止法をアドバイスしていた。
“@食事記録ノートをつくる!・・・・毎日どんなものをどれだけ食べたかを記録する。おおよそのカロリーも記録する。体重が減り始めると記録をつけるのも楽しくなる。 A冷蔵庫はガラガラに!・・・・毎日買い物をするようにして、冷蔵庫に余分な食べものは入れない。 Bテレビの周辺に食べ物を置かない!・・・・特にカロリーの高いスナック菓子など禁物。 C行動修正療法を行う!・・・・ちょっとやせ始めた人は、もっとも太っていたころの写真をドカーンと部屋に貼っておく。”(プレジデント 2005.1.3号)
肥満防止、ダイエットの方法ほどたくさんの手法が書かれているものはないという。確かに本だけでもどれほど多く発行されていることか!それほどに難しい。そして、この正月、皆さん大丈夫でしょうか? ボクは身長171cm、体重62kgの肥満と縁遠い体だから、食べたいだけ食べても全然問題ない(^○^)。
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(第159話) 良いこと探し |
2005,1,1 |
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明けましておめでとうございます。今年もご愛顧の程よろしくお願いします。 “日ごとに足弱になり、ふらつきながら毎日歩いています。歩数は減ったものの出会う人には、挨拶を交わして気持ちを紛らせます。季節の移ろいを眺めつつ、歩を運べることを幸せに思っています。辛いことを嘆くより、小さなことでも楽しいことを見つけ、1日に3つ以上は「良かった」と思える暮らし方を、と考えました。昨日は行き帰りともに同じ人に声をかけられ、二言三言話をし、始めてあった老紳士に話しかけられ、5分ほど立ち話。人生を楽しくしなくては、と思いました。”(12月27日付け朝日新聞)
多治見市の主婦・松浦さん(76)の投稿文です。最近は偶然だと思うが、高齢者の投稿文を紹介することが多くなっています。高齢者の文には人生を悟ったニュアンスが感じられるからでしょうか。 前向きに、楽しく生きていこうという姿勢が、元旦にふさわしい話と思って今年の第1話としました。
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