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第5号  2004年9月

(第71話) プラチナスタイル  2004,9,30
 聞かれたことがない言葉であろうか、私もこれまで聞いたことがない。
 “小説家の渡辺淳一さんが、50歳以上の年代の前向きな人生を「プラチナスタイル」と命名、自身の講演会や、来年2月に創刊される同名の雑誌などで提唱していくという。中高年を指す言葉に「老」や「高齢」などのマイナスイメージを持たれやすいものが多いことを懸念して「人生でもっとも輝く時代」にふさわしい用語として「プラチナ」を思いついた。 「プラチナスタイル」を志向する人生は「世間体にこだわらず、好奇心を持って好きなものを追いかけ、相手と自分をほめて、おしゃれでステキな不良(ワル)になること」だという。”(9月23日付け読売新聞)

 私も大いに賛成だ、この造語を広めていこう、ということで早速に紹介した。私のまわりには退職後の人生を謳歌している人が多い。そんな人を見ていて、私も退職後に新たな人生が展開できる気がしてくる。プラチナ世代にステキなプラチナスタイルを目指していきたい。


(第70話) 息子の感謝の言葉 2004,9,29
 “私の誕生会に、息子夫婦と孫、私の4人でテーブルを囲んでいた。突然、襟を正した息子は「お母さん、46年間ありがとうございました。僕を産んでくれて感謝します。今まで面と向かって言えなかったけど今日は言えます。」深々と頭を下げている。「僕はずっと母親が誇りだった。振り返るとその時々のお母さんの言葉や態度がようやく理解できる。おかげで今の僕がいて、妻がいて、子供がいる。感謝してもしきれない・・・・」。感涙にむせぶ姿に私も涙にぬれた。”

 この文は、9月21日付け朝日新聞に掲載された、埼玉県所沢市の72歳の女性の投稿文である。私はガーンと頭を殴られた感じである。母に・・・妻に・・・まわりの人に・・・・私も素直にこれができぬうちは未熟、半熟だ!。

(第69話) 孫の日 2004,9,28
 毎日のようにいろいろな日が設定されているので、孫の日もあってもおかしくないが、実は新聞で見るまで、そんな日があるとは全く知らなかった。
 「孫の日」は日本百貨店協会が99年に提唱した記念日で、「敬老の日」の1ヶ月後の10月第3日曜日である。今年は10月17日になる。バレンタインデーとホワイトデーの関係と全く同じ発想である。
 
 愛知県書店商業組合が「孫の日読書運動」を呼びかけている。同組合の理事長は「テレビで育つ今の子供たちは、言葉を知らなすぎる。感情だけで動かずに、言葉で考えて判断し、想像力を広げるには、幼い頃から読書に親しむ機会が欠かせない。おじいちゃん、おばあちゃんがゆっくり本を読み聞かせ、話をすることで、孫の体に言葉をしみこませてほしい」といっている。(9月21日付け毎日新聞)

 いろいろな商売に乗せられるのは気に入らないが、この運動には大賛成だ。私もその日に向けて早速何かを見繕おう。そして、私自身にも本を買おう。

(第68話) 選択的思い出 2004,9,27
 中日新聞に宗教評論家と肩書きのついた「ひろさちや」さんが、「ほどほど人生論」と題した随想をもう31回も書いてみえる。実は今までこの欄を読んだことも「ひろさちや」についても全く知らなかった。なぜか「選択的思い出」と題した文に目がいった。

 “私たちはどんな相手に対しても、過去の思い出をいっぱい持っています。50年の関係であれば、50年分の過去の思い出があるわけです。そして私たちは、その過去の思い出を選択的に取り出して思い出しているのです。たとえば、「いやな姑だった」と思っている人は、その姑とのいやな思い出だけを選択的に思い出しているのです。いい思い出、美しい思い出を消しています。”

 そして、大学生の時、下宿のおばさんと口げんかしたとき、そのおばさんが、「あなたのあの言葉は、私には悲しかったけれども、あのあとで、あなたがこれまでしてくれた親切やあなたのいいところを一生懸命思い出していたのよ」言う出来事を紹介している。
 良い話である。自分が豊かだと気づかないうちはいつまでたっても豊かになれないと同じように、良い思い出を捨てていてはいつまでたっても幸せにはなれない。これからはこの欄も気をつけて読もう。

(第67話) オレ流管理術 2004,9,26
 “落合監督といえば、昨年の就任会見で「トレードや外国人、FAによる戦力補強はしない」「今の戦力でも一人一人の力が一割アップすれば日本一になれる」と発言して周囲を驚かせた。ファンの間には不安視する声もあったが、ふたを開けてみれば、まさに落合監督の言うとおりとなった。一人一人の個性を見抜き、その力を最大限に発揮させる管理術は、現実社会においても大いに参考になるはずだ。”(9月18日付け中日新聞)

 「第60話 仏教の徳は生きている」で落合監督の語録を読みたいと言ったのは、特に上記言葉に惹かれたことにある。新しい監督になり、誰もが「自分は外されるのではないか」と疑心暗鬼になるとき、上記の言葉に誰もが安心したであろう。そして、誰もがやる気になった。プロ野球選手ともなると、それほど大きな実力の差はないのだろう。気力、やる気、そういった精神的なものが大きくものを言うのではなかろうか。その後にも惹かれる言葉が多い。
 中日にマッジクが点灯した。あと3、ボクはプロ野球を知って以来、中日ドラゴンズファンです。

(第66話) がんばらない 2004,9,25
 「がんばらない」「あきらめない」などの著書で有名な諏訪中央病院管理者・鎌田実さんのコメントを見つけたので少し紹介します。
 “「肉体的に健康でも、目標もなくダラダラ生きていては、健康的な生き方とは言えません。逆にガンなどの重い病気にかかっていても、病に負けずに希望を持って生きていけたら、その人の生き方は健康的だといえるのではないでしょうか」
 「病気や障害のある人は、肉体的には、どんなにがんばっても健康な人には勝てません。まわりはつい善意で、『がんばれ!』と言いがちですが、がんばらなくてもいいから、むしろあきらめないで生きていこうよ、という気楽なスタンスがもっとも大切だと思います。」”

多くの患者さんはがんばっているのだ、もっとこれ以上がんばれと言うのか、それを言われる患者さんは辛い。しかし、ついかける言葉が分からなくて、がんばってという言葉を吐いてしまう。患者さんは励ましの言葉より心の心の交流を求めているのだ。
 時あたかもパラリンピックが開かれている。彼らがいくらがんばっても健常者のオリンピック選手には勝てない。でも与える感動は勝るとも劣らない。  

(第65話) デジタル・ディバイド 2004,9,24
 デジタル・ディバイドとは、情報機器を使いこなせる人とそうでない人の間に生じる格差のことをさし、若者と高齢者、都市部と過疎地、富裕層と貧困層など、様々なデジタル・ディバイドが問題になってきており、企業内にも広がっている可能性がある。

 “日本能率協会の「新任取締役の素顔に関する調査」が8月に発表された。それによると今年上場企業の取締役に就任した新米重役の、社内での電子メール利用率は99.3%に達し、自宅でもパソコンを利用している人は79.9%になっている。回答者の平均年齢は54.4歳である。2004年版情報通信白書によると、50歳代全体のインターネット利用率は62.6%だから、新米重役の利用率が、同世代と比べて極めて高いことが分かる。”(9月12日付け読売新聞)

 パソコンやインターネットができない人はそれほどに感じていないかも知らないが、できる人が何かの故障で使えなくなったら、どのように感じるだろうか。私など居ても立っても居られないだろう。これを読んでくださっている皆さんも、多少の違いはあるかもしれないが多分同じでしょう。それほどにその利便性を活用しているわけである。曲がりなりにもできるようになって本当によかったと思う。しかし、それに振り回されていることはなかろうか・・・。

(ともの米国便り第6便) ナイアガラの滝(その2) 2004,9,23

 ナイアガラの滝には二つあるのはご存知でしょうか?
カナダ側にあるカナダ滝とアメリカ側にあるアメリカ滝の二つです。
 アメリカとカナダの国境であるナイアガラ川にはレインボウブリッジがかかっており
この橋を渡って国境を行き来することができます。
滝の眺めの良いカナダ側にはたくさんのホテルが立ち並び、繁華街もにぎわっていました。
それに比べてアメリカ側は滝の眺めが悪いため、ホテルやお店が出来ても、お客が
集まらずすぐ潰れてしまうそうです。

 しかしカナダ側の滝は、一年に2〜3センチづつ削れて後退しているようです。
今の滝のある場所は、最初に滝のあった場所よりも、12キロも上流にあるようです。
 そしてカナダ滝は数千年後には削れて上流にあるエリー湖にまでたどり着いてしまい滝の存在が無くなってしまうということです!
 カナダは滝の後退を防ごうと水門をつくり、アメリカにも協力をお願いしているのですが、アメリカは協力してくれないようです。それなので、水門はナイアガラ川のちょうど中間の国境付近で建設が止まってしまっています。
 アメリカが協力しないのはカナダに観光のいい所を持っていかれているので、その仕返しなのでしょうか‥‥
             

(第64話) 野良仕事 2004,9,22
 9月10日付け中日新聞の「あの人に迫る」で、俳優の柳生博さんが紹介されていた。柳生さんは、38歳の時NHKの朝のテレビ小説「いちばん星」の野口雨情役で一躍脚光を浴び、10年近く「生きもの地球紀行」のナレーションを手がけた。今年の春、日本最大の環境NGO「日本野鳥の会」の第5代会長に就任された。趣味は野良仕事。
 “柳生家の家訓は「何か悩み事があれば、野良仕事をしなさい」である。野良仕事をやると夫婦とか親子が仲良くなるんです。” 

 9月12日付けの中日新聞・サンデー版、今回は「おじさん図鑑」から。
 “おじさん夫婦は、たった4畳半ほどの広さだが、農地を借りて野菜を作っている。収穫するときは思わず声をかけずにいられない。「実ってくれてありがとう。大切にいただくよ。」 お日様にも、畑の土にも、野菜たちにも、手を合わせる気持ちが自然にわき起こってくる。農作業は人を謙虚にさせるのではないだろうか。”

 私は、「家庭菜園程度はやってみれば誰でも好きになれる、好きになれないなら健全な人間ではない」とまで言っていた。言い過ぎとは思うが、私にはそれくらいに思える。上記の二つの話は、私の言葉と相通じ、全く嬉しく読んだ。しかし、私の場合は家庭菜園と言うには少し広すぎ、苦痛の種になっている。

(第63話) 接客は厚化粧 2004,9,21
 読売新聞に「日本語の現場」というシリーズがある。その第80回から紹介してみる。

 “お客に対し、「(客の)連れが来た」を敬語を使っていえば、「お連れ様がお見えになりました」が適切。ところが、サービス業界などでは「お連れ様がお見えになられました」という言い回しが多い。これは二重敬語でマナー違反であるが、実技検定協会の保坂さんは「ホテルやレストランでは、お客は高めれば高めるほどよい。二重敬語を使わなければ落ち着かなくなる。敬語は聞き慣れるに伴って日常語と変わらなくなるため、次々に敬語を塗り重ねていきます」と話す。1952年に当時の文部省が「不当に高い尊敬語、不当に低い謙遜語」の使用を厳に戒めているが、半世紀前の方針だが、今も時代遅れになっていない。”

 「部長がおっしゃられたように・・・・」「明日午後1時にお伺いします」「お食事はお済みになられましたか」・・・なども二重敬語である。尊敬語、謙譲語の使い方に、世の中の乱れの影響か、私自身も最近は曖昧になり自信がなくなっている。言葉は生きている、時代と共に変わるというが、日本語の美しさは残していきたいものだ。

(第62話) 得するカード 2004,9,20
 作家の石田衣良さんが、NHKの「晩婚大国ニッポン」という番組の収録に参加したとき、“今や30代の3割以上が未婚、都市部では過半数が独身者であり、日本は世界有数の未婚社会である。8割以上が、適当な人がいればすぐにでも結婚したいというが、その適当な人とは、女性では「家事を等分に分担してくれて、仕事が忙しいことに理解があり、きちんと定収入があるやさしい人」ということになる。これに対して男性は、女性のいうとおりに結婚したら、家事もやらなければいけないし、経済的にも苦しくなる。結婚にメリットが見いだせないということになる。”とまず番組の内容を紹介したあと、感想を述べている。
 「まずぼくには、結婚することにメリットという考えがなじまない。得するカードばかり集めて、それが充実した人生になるのだろうか。生きている上ではマイナスにる条件を、自分の意志で背負うところに、逆説的に本当の人生の充実があるのではないか。」(9月9日付け日本経済新聞)

 私は昔何の時だったか・・・・第九を歌う会の会長を引き受けたときであろうか・・・・「楽しいだけが人生ではないだろう、どうせたった一度の人生だ、苦しくても、辛くてもやれることをやろう」と思った時期がある。果たして今その気概はあるか・・・・ない!

(第61話) カルチャー教室活用術 2004,9,19
 いい大学、いい会社にはいるためではない、仕事に必要な知識や技能を身につけるためでもない、これからが本当の学習だと「50代こそカルチャー教室へ」と言う文が、9月5日付け日本経済新聞にあった。生涯学習が叫ばれる中、カルチャー教室はその入門編だというのである。
 “50代がカルチャー教室を活用するための5箇条として、コープこうべ生活文化センター長・小田麗子さんは、1)自分にあった講座を時間をかけて見つけよう。2)見つけたら、共に学ぶ仲間をつくろう。3)講師をとことん利用しよう。4)日常生活でも学習内容の理解に努めよう。5)健康維持を心がけよう。”

 経済産業省の2002年度調査によると、全国のカルチャーセンターは693カ所で、年間売上高は約600億円、延べ受講者数は約746万人、年齢層は50歳以上が過半数を占めている。そして、8〜9割は女性、まさしくおばさんパワーである。男性もじわじわ増えているというが、あまりに差が大き過ぎる。機会均等は男性側からいうべき言葉ではなかろうか。

(第60話) 仏教の徳は生きている 2004,9,18
 アテネ・オリンピックでの日本代表選手の活躍に、いろいろな方がいろいろなことを語っている。その中で、哲学者・梅原猛氏の言葉を要約・紹介しよう。

 “栄光を手にした選手達は仏教で言う六波羅蜜、すなわち六つの徳のうち精進、忍辱、禅定の徳を備えていることを感じる。彼らは栄冠を得るために自己の欲望を抑え、全力を尽くし精進(しょうじん)した。忍辱(にんにく)の徳を持ち、負けたときの悔しさやスランプを発憤の材料とした。そして、禅定(ぜんじょう)、深く考えて、いざというときには無心になってことに集中する。
 この三つの徳を完全に備えている日本人はイチローではないかと思う。私はイチローに宮本武蔵を感じる。仏教の徳はまだ日本人に生きているのである。このような徳が生きていれば、今後も日本の国は健康に繁栄するにちがいない。”(9月6日付け中日新聞)

 数ある評論の中でこのような高尚な文を紹介するのは、私にふさわしくないが、イチローが出てきたことに因がある。五輪選手も素晴らしいが、私にはイチローがもっと気になる。新聞等でイチローの短いコメントが紹介されるが、いつも感心してしまう。そして中日の落合監督である。二人の語録をいつか見てみたいものだ。

(第59話) 豊かさが不幸を招く? 2004,9,17
 ”一般には、たくさんの選択肢の中から選びたいと思うものだし、選択肢が多ければ多いほど嬉しく感じるのだが、では選択肢が多いほど人々の幸福感が増しているかといえば、そうではなく、実際には幸福感が低下している。選択肢が多すぎると期待も大きくなるので、結果が予想を下回ると感じてしまうことになるからである。
 そこで、選択肢が多くあっても満足感が得られる極意は、まず、「選び方を選ぶ」。見る店は二つだけにする、調べ比べる品は三種類に限るというふうに、選択肢を自分から制限することである。次に、「自分として満足できる基準」をあらかじめ決めておく。そして、「損失についての心配をしない」。購入したあとで別の品を見ることはやめ、自分の選んだもののプラス面だけを考える。”(9月6日付け中日新聞)

 池内名古屋大学教授の名にふと目がいく。先日の「地球があと四つ必要」で始めて知った名である。タイトルも興味を引く。もうよく言われることであるが、物質的豊かさだけでは幸福感は得られない。その極意と言うことで、内容を紹介した。
 最後に池内教授は、“「自分をとても幸福だ」と答える人たちに共通しているのは、自分が好き、主体的、楽観的、外向的、と言う四つの特徴がある”と言うマイヤースらの言葉を付け加えている。 

(第58話) ボケないための生活術 2004,9,16
 湘南長寿園病院の院長が中日新聞に「ボケないための生活術」を18回にわたり連載されていた。最終回の9月3日付け新聞がまとめのようであるので、そこから引用する。

 “10のボケ予防対策をあげる。1)散歩をしよう 2)魚をできるかぎり食べよう 3)生活習慣病にかかっていたら、すぐに治そう 4)いくつになっても恋心を持とう 5)栄養状態に注意をしよう 6)できるだけ外出を心がけ、社会とよく交わろう 7)3度の食事より好きな趣味を持とう 8)寝たきりにならないように注意をしよう 9)自分なりのストレスの発散法を持とう 10)自立しよう(心と体と経済)
 そして、10)の3つの自立について、「自分で自分の健康を管理する力を持って体の自立」「自分のことは自分で解決する心の自立」「残った金は最後まで自分で使い切って死のうという経済の自立」”

 最後が面白い。「ボケないためには、息子に家督を決して譲ってはなりません。面倒を見てもらうのだからと、財産を子どもに譲ったら、その瞬間からボケが手ぐすねひいて待っていると思って結構です。」いろいろな家族があるから一概には言えないが、私が知っている事例でも、別の意味で財産が最後の砦である場合は多い。慎重な対応が必要である。

(ともの米国便り第5便)ナイアガラの滝(その1) 2004,9,15
久々に沢山の日本人を見た。
それは世界的大瀑布 カナダのナイアガラの滝でのことです。
先週末、遅めの夏休み?を取り、2泊3日で行ってきました。
不思議とアジア系でも日本人だけはパッと見てわかるものです。
まず日本人の若い女性は、茶髪で前髪を斜めに流した髪型です。
カバンはタスキがけ。
ズボンの上にスカートを履いたようなファッション。とても分かり易いです。
年配の方はご夫婦で来られている方が多いです。
お昼に滝の見えるホテルの最上階のレストランでお食事したのですが、
窓際の眺めの良い席は、日本からの団体客でした。
すれ違う時に聞こえるたくさんの日本語が懐かしくもあり、海外旅行の雰囲気を壊し
てしまうような気がして複雑でした。
‥‥肝心なナイアガラの滝のお話がまだ出てきていませんね。滝のお話は次の時に
お届けします。

(第57話) おばさんパワー 2004,9,14
 “このところ、オペラ会場や美術館、デパートや各種のイベント会場に出かけると、どこへ行っても「おばさん」が多いのに驚かされる。都市文化のある部分は「中高年齢のご婦人達」によって、占拠されているかにさえ見える。たとえば東京文化会館に足を運んでみれば、休憩時間に女性トイレへ続く階段に延々と長蛇の列をなすおばさん達の巨大な群れである。前川国男の設計になるこの名建築が、設計された時点で、建築計画学の初歩の初歩である男性用トイレと女性用トイレの数を間違えて設計するはずがない。オペラを見るおばさん達が予測を超えて、この20〜30年、著しく増加したと言うことに起因しているのではないか。”(9月6日付建設通信新聞)

 おばさんパワーは今に始まったことではない。文化的なことはもとより、運動的なことでも今やおばさんばかりである。仕事に疲れ切った「おじさん」は現役時代は当然、退職後もどこに行っているのか・・・・。先日「愛・地球博」ボランティア研修に参加したが、24000人集まったボランティアの男性の割合は4割もあったと、担当者は誇らしげに話していた。6割ではない、5割でもない。上記文では「おばさんこそがこの疲弊しきった日本をもう一度生き返らせる唯一のパワーではないか」と言っているが、「おじさん」達はこう言わせておいてよいのだろうか。 

(第56話) 愛した自覚 2004,9,13
 私は中日新聞のサンデー版を楽しみにしているが、特に、北見けんいちの「元気君」と飛鳥圭介の「おじさん図鑑」、小川由里の「おばさん事典」である。では、9月5日付けの「おばさん事典」から。

 ”「あんなにかわいがってやったのに、最近はモノも言わない。つまらない、本当につまらない」これは小学生になって、あまり口をきいてくれなくなった孫に対するおばさんの嘆きである。でも、「あんなにかわいがってやった」と自覚するほど、たくさんの時間を一緒に過ごし、そのつど「ああ、いとしい」という熱い感情で心身を癒されたはずです。それをこのように言うのは欲深いというモノです。ここで気付いた。おばさん達は夫がろくにモノを言わなくても「つまらない」と怒らない。と、いうことは「あんなにかわいがってやった」自覚がないから、と言うことでしょうか?”(要約)

 「孫は可愛い」とばかり言っているおばさん、いいでしょうか?いや、おじさんもいいでしょうか?子どもや孫は離れていくモノですよ!
 そして、おじさん! おばさんが「つまらない」と怒らないどころか、濡れ落ち葉などと疎まれないように・・・。私?大丈夫!・・・孫には沈着冷静、おばさんにはウォーク用の弁当だけ作らせ、あとは自由気ままにさせていますから・・・・(本当に大丈夫かな?) 

(第55話) 過去は前方にあり 2004,9,12
 “南米・アンデス山中に住むケチュア族は未来は前方ではなく「後方」にあり、過去は後方ではなく「前方」にあると表現する。なぜなら未来は見ることができない。人間の視野からはずれているから、背中の「後ろ」に潜んでいる。反対に、過去は目の前のモノを見るように誰でも思い出すことができる。だから先の方、「前方」にあるのだ。”(9月4日付け中日新聞)
 
 この文を書かれた小出編集局長は「過去をしっかりと見定めることこそ、人生を誤らぬ確かな判断材料だろう。私の前方には59年11ヶ月の過去がある。後方しか持たない若い人たちにしゃべりまくってやりたい。」と還暦を前に話されている。

 この文を読んだとき、私が以前思ったことと似かよっているなと、嬉しく読んだ。私は50歳代に入って、口を開こうと決意した。自分の体験、知っていることはどんどん発言しよう、それが50歳を過ぎた人間の責任だと思った。たいしたモノではないが自分だけのモノにしておかない、人がどう思うかは気にしないことにしよう、1人でも興味を示してくれればよい、発言したことが少しでも役立てばよい。このHPも大きな発言の手段だ。それから無口が饒舌に変わった。 

(第54話) 親方の戸惑い・・・白鵬 2004,9,11
 3年前、モンゴルから来た16歳の少年を前に、
 元大関・旭国の大島親方「騙されたと思って部屋に入れてみな」
 元前頭・竹葉山の宮城野親方「体が小さいじゃないか」
 このとき、モンゴルから7人の少年が日本に来たが、6人はすんなり入門先が決まったが、細身の少年は引き受け手がなく、外国人の人数制限から大島部屋には入れられない為、上記のような会話になった。
 もちろん宮城野親方が引き受けるわけだが、この少年が、19歳1ヶ月で新入幕を果たし、2場所連続で2桁白星を挙げた「白鵬」である。もちろん7人の中では飛び抜けての出世頭である。
 
 この文は9月2日付毎日新聞「週間アングル」を要約したものである。何が吉となり凶となるか、本当に人間の先行きなど分からないものである。人間することは、腐らず、有頂天にならず、ただ真摯に対応するのみか・・・・。明日から秋場所が始まる。白鵬がどのようになっていくのか、楽しみが増えた。

(第53話) 地球があと四つ(エコロジカル・フットプリント) 2004,9,10
 世界中のすべての人がアメリカ並の生活を望むなら、地球があと四つ必要だという、池内名古屋大学教授の話を紹介する。(8月2日付け中日新聞)
 エコロジカル・フットプリントという概念からの話で、この概念は、一人の人間が生きていくために必要な資源量を面積需要に換算したもので、グロ−バルヘクタールで表す。アメリカは9.7で世界最大、カナダ8.8、日本はイギリスやドイツと同程度で4.8、アジア・アフリカ諸国の平均は2であり、世界平均は2.1だという。世界平均に地球人口を掛けると、必要とする土地の総面積を求めることができ、すでに1980年に実際の地球の面積を超えているという。それでも人類がまだやっていけるのは、地球の過去の遺産である化石燃料に頼っていること、その矛盾を最貧国の人々に押しつけているからと言う。

 今日もまた難しい話を持ち出したが、インターネットで「エコロジカル・フットプリント」を検索をしたら370件出てきた。興味のある方もない方も勉強してみてください。人類の破滅を少しでも遅らせるために!(この「話・話」を読むと賢くなる(^○^))

(第52話) 架空請求 2004,9,9
 有料サイト料金などの架空請求について、9月2日付け中日新聞で、愛知県県民生活プラザに寄せられた本年度の相談件数は、7月までで前年同期の3倍増しの10341件と出た。プラザでは「身に覚えがない請求は無視してほしい」といっている。
 8月12日付け朝日新聞では、昨年度全国の消費生活センターに寄せられた相談は約46万件で、今年も収まる気配がないとし、請求文の実例を示していた。

a)ニセ法律型・・・「このはがきは電子消費者契約民法特例法上、法務省認可通達書になっております。ご連絡なきお客様はやむを得ず裁判所からの書類通達後、指定の裁判所への出頭となります。」
b)大臣許可型・・・「当社は特別法に基づき法務大臣から許可された債権回収業者です。有料サイト代金が未払いということで調査依頼を受けました。」
c)譲り受け型・・・「ご利用されました未納金(有料番組)について運営業者様から債権譲渡を受けました。和解交渉の意志のある方は大至急ご連絡を。」
d)脅し型・・・「お支払いいただけない場合は信用情報機関へのブラックリスト登録、さらには給料差し押さえという法的措置を取らざるを得なくなります。」
 
 架空請求はインターネットの普及を利用したものであるが、新しいものが出れば、新しい犯罪が生まれる。実は私も2回ばかりいただいている。当然無視したが、これが一番のようである。世の中、いろいろなことについて悪用のことを心配しなくてよければ、もっと普及しもっと便利なものになるのだが、寂しくも残念なことである。  

(ともの米国便り第4便) ファッション 2004,9,8
 渡米して早いもので2ヶ月になろうとしています。
着いた当初から日本とアメリカの違いを肌で感じていましたが、今回は
女性のファッションの違いについて報告したいと思います。
アメリカと日本の女性のファッションの大きな違いとあげるとしたら、
 @ アメリカの女性は日傘を差さない、帽子をかぶらない
 A 露出度の高い服装の人が多い
以上の二点であると思います。
アメリカの女性は、日焼け対策はほとんどしていないと思います。
お化粧もしている様子は全然ないです。帽子をかぶっていたら日本人に間違いない!です。
また若い女の子はかなりの露出度です。最初のうちは、ドキドキしていましたが、 
最近は見慣れてしまいました。こちらでは、おばあちゃんでさえも短パンをはいて
います。日本では考えられないですね。

(第51話) 地上デジタル放送  2004,9,7
 アテネ五輪で日本人選手の活躍のおかげか、カラーテレビの売れ行きが好調のようである。しかし、売れている多くのテレビは現在のアナログ放送しか見ることができないものだという。
 日本では、2003年12月に関東、中京、近畿で始まった地上デジタル放送が、順次拡大して、現在のアナログ放送は、2011年7月に終了することが法律で決まっている、ということが新聞に出ていた。そして、その新聞にはその説明が不親切であると、苦言を呈している。

 “アナログ専用テレビについて「別売りのデジタルチューナーを接続することによりデジタル放送をごらんいただけます」と小さな活字で書いてあるが、わかりやすく説明するなら、「アナログ専用テレビは、数万円する別売りの機器を追加購入していただかないと、2011年7月以降は、ご覧いただけません。また、追加購入しても、デジタル放送本来の機能は楽しめません」となるはずである。”(8月29日付読売新聞)

 言葉は少しの言い回しによって印象はかなり違ってくる。 上記は商売上の戦略と思ってしまうが、情報はきちんと伝えて、お客の判断を仰いでほしいものだ。後に騙されたと思われたら、返って大きなマイナスではなかろうか。何事も相手の身に立った対応が、後の為になるという気がする。

(第50話) 不眠と自殺 2004,9,6
 大人の5人に一人が不眠の悩みを持っているという調査結果が出た。第28話で自殺者3万4千人のことを書いたが、秋田大学の清水教授は自殺を減らすために、「眠れないなら医者に行こう、眠れない人には受診を勧めよう」というキャンペーンを展開することだという。自殺は鬱病ないしは鬱状態で実行されており、鬱病の9割には不眠が見られるという。不眠を治療すれば自殺も減るというわけである。 また、国立精神・神経センター精神保健研究所の内山さんは「ライフスタイルの中で不眠ともっとも関連しているのは運動習慣。特に夜中に目が覚める人は、運動習慣のない人が多い。バス停を一つ分よけいに歩くなど、運動の習慣は昼間から実行できる点が利点。不眠の人は、昼のライフスタイルから変える方が取り組みやすい」と話す。(8月29日・30日付け読売新聞から要約)

 ストレスや気が滅入ったとき、体を動かすことでかなり解消できることは多くの方が体験済みであろう。不眠もまたしかりである。運動といっても少し歩くだけでよい。自殺者減少にまで役立つとは、ウォーキングの効用は計り知れない。歩こう会に参加しよう。


(第49話) 女性の化粧 2004,9,4
 テレビで西部劇を見ていた幼い息子が父に質問。
  「インディアンはどうしてあんなすごい化粧をしているの」
 「戦争の準備をしているんだ」と父。
 その夜、息子は慌てふためいて父の部屋に駆け込んできた。
  「パパ、急いで逃げなきゃ。ママが戦争準備をしているよ!」
            (8月12日付け中日新聞)

 私は最近の女性の化粧が何か好きになれない。電車の中の化粧、指の爪から足の爪、眉毛の描き方、果てはタトゥー(入れ墨)、・・・・お金を使い、時間をかけ、何の為にしているのか。身近な女性の数人に聞いてみたがどうもはっきりしない。化粧の目的の第1は自分を良く見てもらいたいため、それ以外の何物でもないと思うのだが・・・違うかな?・・・単なる流行、自己満足???。私の美しい人の条件(外見)の第1は・・・歩き方・・・・背筋と足を伸ばし颯爽と歩く。まずはウォーキング教室へ・・・・その他のことはその後だ。(誰もお前のために化粧をしているとは言っていないよ・・・・失礼しました)

(第48話) 老後準備 2004,9,3
 アメリカの年金運用会社が世界12カ国の年金に関する意識調査を実施した。
 “「退職後は親世代と同程度の豊かな生活を送ることができる」と回答したのは、中国42%、英国36%、ドイツ28%などに対して、日本は4%で最低である。退職後の生活確保について「自信がある」との回答も日本が3%と最低だった。「退職後の生活水準は今より悪くなる」と回答したのは日本は53%でフランスに次いで2番目に高かった。「退職後の生活確保のため、雇用主は責任を果たしている」と見る人は、インド20%、英国、ブラジル各17%、ドイツ11%に対して、日本はわずか1%である。一方、退職後の資産運用について「専門家のアドバイスを利用している」と回答したのはドイツ39%、英国37%、フランス30%に対して、日本は最低の1%であった。”(8月18日付毎日新聞)

 この調査は今年3回目、米国、メキシコ、ブラジル、チリ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、中国、香港、インドの12カ国である。この結果をまとめれば日本人は老後に悲観的、かといって努力もしていないということになる。日本人のこの意識は、調査対象の国を見て、適正な判断だろうか。この「話・話」の「第23話 豊かさを知る」を再度見てもらうと、日本の平均所得は世界人口の上位1%以内に入っている。人間、自身の豊かさに気づかなければ、いつまでたってもゆとりは生まれない。

(第47話) 乳児事故  2004,9,2
 我々世代の多くの方には可愛くてしょうがない孫がおり、そんな孫の事故は泣くにも泣けない。家庭内の乳児事故について田中国立保健医療院生涯保険部長の話を紹介しておく。

 “調査によると、「やけど」や「誤飲」では9割以上の保護者が防止可能だったといい、「やけど」では秋冬のストーブや料理の中に手を入れることなどに、「誤飲」ではたばこ、ボールペンのキャップ、クリップに気をつけたい。転倒では7割程度が防止可能で、角の鋭い家具には角を覆うなどの工夫をすべきである。その他、転落、切り傷などが多いが、、子どもの目線にたって、危ないものがないか点検すれば「1歳半までの家庭内事故の大半は防げる」。お盆や正月など、多くの人が集まる場では、子どもに対する親の目はゆるみがち。祖父母らは、最低限の知識を持って部屋を見直して孫を迎える必要がある。”

 私にも昨年12月31日に生まれた孫がおり、這いずり回り始めた。目が離せなくなる。平生いないだけに対応を怠りがちになる、特に気をつけねばならない。

(第46話) 集中力向上 2004,9,1
 集中力は何事を成すときも大きな要素である。年と共にその低下を嘆くこともある。私もしかりであり、そんな人に有効な8箇条を見つけたので書き記しておきたい。立正大学の山下富美代教授の話である。
 “誰でも集中する能力は持っているので、要はいかにそれを発揮できる環境を整えるかが重要と指摘し、8箇条をあげている。
 1)達成可能な目標を自己設定する。
 2)仕事を集中力の限界である1時間単位に分け、1時間で仕上がる作業を繰り返す。
 3)結果に対して、自分自身で褒賞を与え、その楽しみをイメージしながら仕事をする。
 4)慣れを避け、リラックスしながら仕事をする。
 5)自らの集中力のリズムを把握し、そのピークにあわせて仕事をする。
 6)雑音をシャットアウトし、ストレスや疲労をためないなど、集中できる環境を作る。
 7)食事は一定の時刻に一定の量をとる。
 8)睡眠時間は一定にして、定時の就寝・起床を慣習づける”

 これを私なりに言い換えれば「規則正しい生活をし、静かな環境で、楽しみながらする」、簡単なことだ。


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